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地域の魅力を発見する クリエイター参画のまちづくり

まだ見ぬ魅力にスポットライトを当てるブランディングプロジェクト

栃木県日光市は今年6月、日光のまだ見ぬ魅力を発信するブランディングプロジェクト「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」をスタートした。新たなシンボルマーク、コンセプトを軸に市内の活性化、移住者や観光客の増加を目指す。

「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」のイメージビジュアル。

市内外に日光の魅力を伝えたい

2012年から地域の価値を高める文化や食を「日光ブランド」と認定するなど、さまざまな形で魅力を発信してきた日光市。しかし市の組織内で複数の施策が走りつつも、それぞれを統一する「傘」の無い状態だったという。そのため今回はシンボルマークやブランディングにあたってのコンセプトを決め、より包括的かつ大規模に、テレビCMやWeb動画、交通広告、新観光ルート「Route.N(ルート・エヌ)」などを展開。新たな枠組みでブランディングに取り組み始めている。

この企画のキーパーソンとなったのは、5年前から日光市のプロモーションに関わってきた、映像制作会社 THE OCTOPUSのプロデューサー 山下太平さん。山下さんと以前からつながりのあった電通のアートディレクター 窪田新さんに相談する中で、今回のプロジェクトが形になった。

窪田さんが日光市にヒアリングをする中で、次のようなことがわかってきたという。「すでに市のさまざまな部署で、観光や移住定住など各々のプロモーションを走らせている状態でした。でも点在していた個々の施策を“面”にして、ひとつの活動体として機能させることで、よりその効果を発揮できるだろうと感じたんです。トラディショナルな日光のイメージを受け継ぎつつ、まだ日光に興味のない人に関心を持ってもらう。同時に市内の方々が自由にコラボレーションし、新しいチャレンジをすることに前向きになれるようなクリエイティブが必要だと思いました」(窪田さん)。

5年前から日光を見てきた山下さんも「実際に地域に入り込んでいくと、実はUターンした人や若者たちが日光の土地を活かして、どんどん新しいアクティビティを開発しているんです。でもそれらがあまり知られておらず、地元の若者も日光市に対して“昔ながらの歴史の街”というイメージをもっている。外からの目線を通じて日光市の鮮度のあるところを見せられたらと思いました」と話す。そうした議論を経て、日光の多様な資源や人にスポットを当て、市内外に対して日光の魅力を伝える──という今回のコンセプトが固まっていった。

8月上旬から東武鉄道にて窓上広告を展開した。シンボルマークとブランディングコンセプト。

シンボルマークは「日光」2文字のバージョンも。構成する3色は「豊かな自然」「華やかな歴史」「にぎわう文化」を意味する。

日光市の魅力的な資源をストーリーやテーマごとに束ね、今までにない視点で日光を楽しむことを提案する観光ルート「Route.N」をイラストマップにし、交通広告としても展開。「水の遊園地マップ」「天国の朝食ルート」「森のオフィスマップ」の3種。

「使ってみたくなる」シンボルのデザイン

窪田さんたちがまず制作したのは、新たな日光市を象徴するシンボルマークだ。「光」の文字をかたどったシンボルの上部の正円は、日光のさまざまな資源や人に当てるスポットライトを表現。3色には「若草色:豊かな自然」「さくら色:華やかな歴史」「若芽色:にぎわう文化」という意味を込めた。

「なるべく簡潔で...

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リモートワークが広がり、人々が日々働き、生活をしていく場所の選択肢が多様化している今。それぞれの地域が持つ価値が少しずつ変容し、新たに「まち」としての存在意義を確立する動きが活発です。それはかつて急速に広がっていった" 地方創生" への動きとも、TOKYO2020 に向けインバウンドの観光需要に応えようとしていた動きとも異なる、地域に深く根付いていくもの。今こそ、地域に貢献したいクリエイターにとっても、地域活性化の担い手にとっても、双方が融合し新たなまちづくりに取り組むチャンスともいえます。さまざまな形態で地域の魅力に光を当てる、クリエイティブ発想でまちを元気にするプロジェクトの数々に迫ります。