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事業成長に貢献するスタートアップ企業のクリエイティブ活用

「人工流れ星」のその先へ ピンボールに込めた企業の姿

2011年に創業したALE(エール)は、「人工流れ星」をはじめとした“宇宙エンターテインメント”「Sky Canvas」と気候変動の解明を目指す大気データの蓄積、そして小型人工衛星の研究開発を事業の柱とするベンチャー企業だ。創立10年目を迎えた2020年9月、電通をパートナーに迎えリブランディングを実施した。

「人工流れ星」が社会にもたらす価値をかたちに

「リブランディング前も、ありがたいことにメディアで取り上げていただくことは結構ありました。ただどうしても、『人工流れ星』という部分に注目が集まり、エンタメ性が強調されすぎているように感じていて。ALEとしては、流れ星の軌道や発光から導き出される大気データの取得や小型人工衛星技術の研究開発なども『流れ星』に並ぶ事業の柱であり、科学の発展への貢献を重視しています。そしてその先に目指すのは、人類の持続的な発展への貢献。

そういった部分を、多くの方々にきちんと伝えるにはどうしたらいいか、ここ数年考えてきました」と話すのは、ALEの代表取締役社長で天文学の理学博士号を持つ岡島礼奈さんだ。東京大学大学院を卒業し、証券会社に勤務。その後人工流れ星に関する研究を続けてきた。11年に創業後、その実現のためにJAXAや大学の協力を得ながら人工流れ星の耐久性などさまざまな課題をクリアしてきた。18年にはデザイン会社と共に、ミッション「科学を社会につなぎ宇宙を文化圏にする」や、ビジョン「宇宙を、好奇心に動かされた人類の、進化の舞台にする」を掲げる。

19年1月には、小型人工衛星の打ち上げと軌道上での運用に成功。ミッションやビジョンの実現を目指して着実に歩みを進めている。

企業のミッションやバリュー、カルチャー、そして実際にどんな仕事をしているのか。これらを正しく伝えるためにALEがパートナーに選んだのは、電通のチームだった。「プレゼンテーションの段階で、私たちの事業を的確に読み解いていただき、さらにその先のポテンシャルも引き出していただいたから」と、ALE ブランディング担当 小俣絵美さんは協業の理由を話す。クリエイティブディレクターを務めた電通 関遼さんは、以前宇宙に関する仕事を担当したこともあり、事業をイメージしやすかったという。

今回のリブランディングでは、コーポレートスローガン・ステートメントとビジュアルを制定し、Webサイトをリニューアル。コーポレートロゴのデザインは以前のままに、それが持つ意味を再定義した。スローガン「Exploring the Blue」とそれに続くステートメントは、ALEのコアメンバーと話したりワークショップを実施したりする中からヒントを得て、関さんとコピーライター 佐々木瞭さんを中心につくったものだ。

「岡島さんから『the Pale Blue Dot』の話を聞きました。1990年に宇宙船『ボイジャー1号』が撮影した、宇宙から見た地球の写真のことです。僕たちからしたら全てに思える地球も、広大な宇宙の中ではほんのちっぽけな点にすぎない。宇宙と地上とを自由に行き来する岡島さんの視点を体感しました。そこから感じたのは、謙虚さを持ち合わせたALEの『開拓者精神』。また事業自体から感じられる好奇心や遊び心。それらを...

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事業成長に貢献するスタートアップ企業のクリエイティブ活用

スタートアップ、ベンチャー企業にクリエイティブ投資が必要だ、という議論が始まって久しい。新たなフィールドとしてこれらの事業会社に軸足を移し、チャレンジを始めているクリエイターも増えてきました。いわゆるCCO(チーフクリエイティブオフィサー)、CDO(チーフデザインオフィサー)といった役職を置くなど、組織体制を変革する企業も見受けられます。ではクリエイターやデザイナーは事業成長のために、どのような価値創出が期待されているのでしょうか。広告業界の知見を活かしたブランディング事例、あるいはインハウスでデザイン人材を必要とするケースなどから、経営者や現場のクリエイターの声に迫ります。