「あやしい絵展」「アイノとアルヴァ」ほか展覧会情報

公開日:2021年3月02日

私たちの奥底に潜んだ欲望に響く“あやしさ”

あやしい絵展

グロテスク、エロティック、退廃的、神秘的、ミステリアス……いわゆる「美しい」だけではくくることのできない「あやしい絵」。当時は美術界の一部から批判を受けながらも、文学などをバックグラウンドとして大衆に広まっていく。本展では幕末から明治、大正、昭和初期にかけて制作された絵画や版画、雑誌や書籍の挿図などから“あやしい”魅力あふれる作品を紹介。アルフォンス・ミュシャなど日本画家の表現に影響を与えた西洋美術作品も併せて展示する。

作品が生まれる背景には社会や文化の諸相が存在する。しかし、「単なる美しさとは異なる表現」の深層にあるのは、人々の奥底に潜む欲望が複雑に絡み合うさま。それは現代を生きる私たちの心にも響くものだ。

展覧会の音声ガイドナビゲーターは、劇場版『「鬼滅の刃」無限列車編』など幅広く活躍する声優 平川大輔が務める。

水島爾保布《谷崎潤一郎『人魚の嘆き・魔術師』(春陽堂、大正8年)挿絵》大正8(1919)年、弥生美術館、後期展示(4月20日~5月16日)

甲斐庄楠音《横櫛》大正5(1916)年頃、京都国立近代美術館、通期展示

小村雪岱《刺青(邦枝完二「お傳地獄」挿絵原画(『名作挿画全集 第1巻』のための))》昭和10(1935)年、埼玉県立近代美術館、前期展示(3月23日~4月18日)

あやしい絵展

3月23日~5月16日 東京国立近代美術館[東京・千代田区]
9時30分~17時(金曜・土曜は20時まで/入場は閉館時間の30分前まで)
※オンラインによる日時指定制と窓口での当日販売
休館日:月曜(3月29日、5月3日は開館)、5月6日
観覧料:一般1800円、大学生1200円、高校生700円、中学生以下および15歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者(1人)は無料
◇お問い合わせ→ハローダイヤル 050-5541-8600
※開館日時や休館日は変更になる場合があります。
※会期中展示替えがあります。

https://ayashiie2021.jp/

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