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企業の姿勢を表現する 動画・映像のクリエイティブ

共感からファンを生む 社内ヒアリングを重ね 描いた『家庭内の社会問題』

クレハが2020年6月16日に公開したWeb動画「僕は手伝わない」。12月中旬時点で再生回数は800万回を超え、SNSで反響が相次いでいる。クレハでは初となったWeb動画制作の背景について、話を聞いた。

CMとコミュニティを埋める存在を探して

「NEWクレラップ」の広告と聞けば、多くの人の頭に、「クルッ♪クルッ♪クレラップ」のフレーズでお馴染みのあのCMが浮かぶことだろう。クレハが2020年6月に公開したのは、その商品特性を明るく伝えるテレビCMとは全く異なる、現代の共働き夫婦の在り方について真正面から問いを投げかけるWeb動画「僕は手伝わない」だ。クレハ 包装材事業部 企画・管理部 担当課長 小林夏樹さんは動画の制作に至った背景をこう振り返る。

「これまで当社では、テレビCMやWebサイト『クレライフコミュニティ』などで、お客さまとの接点を設けてきました。それぞれきちんと機能していて、現在の施策に改善を急ぐ課題があったわけではありません。ただ、広く認知をとるためのCMと、既存顧客の体験価値を高めるためのコミュニティとの間を埋める役割が必要なのでは?と考えていたんです。店頭で多数商品が並ぶなかでも『NEWクレラップがいい』と感じてもらえる何か。オープンに広がり、顧客ロイヤリティを高めるための何か、を求めていました」。

それを受け、日本経済広告社 クリエーティブディレクター/コピーライター 山崎優一さんは次のように考えたと話す。「課題を聞き、ブランドエクイティピラミッドという考え方を用いて、取り組むべきことを整理することから始めました。NEWクレラップのCMは、“切りやすさ”など機能面を十分に訴求してきた。であるならば、感情面への訴求にWebで取り組む余地があるのでは、と。ブランドとしてのメッセージを広く発信し、同時に消費者の方々の心に深く届け、ブランドのファンを増やす。そのためにはWeb動画という手法が最適だと考えました」。

両社でのヒアリングを企画に反映

その後、山崎さんはWeb動画の案を複数提案。うちひとつが、「僕は手伝わない」の原案となった。NEWクレラップが特にアプローチをしていきたい、20代~40代の人々が抱える課題から遡って企画を考えていったという。

「感情面に訴えかけることを重視したとき、注目したのが家庭内での社会問題です。さまざまな調査を辿ると、特に20代~40代の共働き世帯の多さが明らかになると同時に、男性が家事や育児に参加できていないことがひとつの大きな課題だというのが見えてきて。家事のシーンで用いられるNEWクレラップが、その課題に寄り添い、メッセージを発することで...

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企業の姿勢を表現する 動画・映像のクリエイティブ

企業のブランディングにおいて、その人格や姿勢、なりたちを表すようなストーリーやエピソードを抽出し、どんな手段で伝えるかが課題となっています。今回は、共感を呼び、ファンを生み出すためのブランドストーリーを表現する手段のひとつとして、動画・映像を活用する企業側と制作者の声に注目。制作プロセスの段階で、ブランドを体現してきた人々やステークホルダーの声をどう組み入れ、表現へと展開していったのか。また、完成した動画をいかに伝播させていったのか。第一線で活躍するCMプランナーたちの2020年の振り返りも交え、映像表現の「今」を捉えていきます。