編集部が街で気になった様々なデザイン
LOGO
青山商事「ザ・スーツカンパニー」ブランド誕生20周年ロゴ

- 企画制作/博報堂マグネット+OUWN
- コラボレーションアーティスト/加賀美健
- CD+企画/佐々木裕也
- AP/黒原康之
- AE/向後春輝、肥田信作、原武史
- デジタルプランナー/山越香
- AD/石黒篤史
- D/出井ゆみ、石倉史子
- Webコーディング/藤田宗親
青山商事は10月から、「ザ・スーツカンパニー」ブランドの20周年を記念して現代美術作家の加賀美健さんによる特別ロゴを公開した。「THE SUIT COMPANY」のロゴに「とカジュアル」という手書き文字を加えたもので、加賀美さんがデザインした雑貨の販売、店頭のVMD展開にも広がっている。「近年はオフィスカジュアルを提案する商品が増えていますが、カジュアルにも対応したブランドというイメージの定着が課題でした」と話すのは、青山商事 TSC営業部 営業企画・販促グループ マネジャーの中山翔太さん。
そこで博報堂マグネット 向後春輝さんらはアートディレクターと共に「ロゴの『SUIT』部分を、『カジュアル』に上書きするイメージを視覚化できたら」と提案。「ただし完全に上書きして否定するのではなく、落書きのように書き足すイメージを考えていて。スーツとは対極となるストリート感ある表現を求めて、加賀美さんにお願いしました」。
今回、加賀美さんがロゴ作成にあたり書き出した言葉は数十種類に及ぶ。「言葉の案を書いたら、その紙をすべてスタジオの床に並べます。それから数日眺めて、時々目に留まるもの、違うなと思うものを仕分けしていきます。言葉選びは、街中で聞こえてきた会話や家族との何気ない雑談で耳にした内容がデザインソースになっています」(加賀美さん)。
デザインした雑貨にも「Tシャツで会社行きたい(Tシャツ)」「エコ水筒(水筒)」「ちょっとした荷物用(トートバッグ)」「持ってます(エコバッグ)」「マスクいる?(マスクケース)」など、肩の力が程よく抜けた言葉の数々が並ぶ。「スーツがカジュアルにやきもちやいてる」など、“加賀美節”を楽しめるショッパー(2種)も配布中だ。
「友人が『ちょっとした荷物用』と書かれたバッグを持っていたら、思わず声をかけますよね(笑)。僕の場合は『ちょっとした荷物用』のデザインを考えるのではなく、そのまま言葉をのせてしまう。すると一気にコンセプチュアルになる。『こんな文字、俺でも書けるよ!』と言ってくれる人もいますが、僕はすごく嬉しい(笑)。そんなやり取りも含め、アートとして楽しんでもらえたら」。