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コンセプトからヒットを生む 広告と商品デザイン

物ではなく 時間を価値にしたコミュニケーション

クラシエホームプロダクツが2018年9月にスタートしたヘアケアブランド「mä&më(マー&ミー)」。大人と子どもが一緒に使えることを強みとして商品を展開している。

CONCEPT

“2人のレディーを美しく。”
親子が一緒に美を楽しむ時間

2018年9月に発売した「マー&ミー シャンプー」(左)と「同コンディショナー」(右)。

IとYouだけでなくWeの目線を

「現在のヘアケア市場は、女性が1人で使うことを想定した商品が多く、パーソナライズ化が進んでいます。それに比べると家族用シャンプーは非常に少ない状態でした」と話すのは、クラシエホームプロダクツ(以下、クラシエ)ヘアケアマーケティング部 係長 綿引志帆さんだ。そこで世の中の親子のシャンプーの使い方に目を向けると、自分用のダメージケアシャンプーを子どもにも使う人と、家族向けのシャンプーを自分も使う人とで、主に2パターンがいたという。「自分目線でシャンプーを選ぶ『I』の目線、子ども目線で選ぶ『You』の目線があると気づきました。

しかしお母さんたちにヒアリングをすると、『I』の場合は大人用を子どもに使って本当に大丈夫かな?という不安があり、『You』の場合は自分の髪の仕上がりや香りに満足しきれず、どちらを選んでも悩みを抱えているようで。大人も子どもも使えて、一生のうちでもごく限られた親子のバスタイムを大切な時間にしていけるような、本当の意味で『We』の商品をつくりたいと思い、開発に至りました」と綿引さんは開発の背景を説明する。

パッケージも含め、商品やブランドの世界観ができた後、コミュニケーション戦略を担ったのはハッピーアワーズ博報堂だ。代表取締役社長/クリエイティブディレクター 藤井一成さんは「お母さんと子ども両方の髪質に優しいという製品のファンクション(機能)を信頼しながらも、成分などの機能性をそのまま生活者に訴えても届きにくい、と仮定。そこで生活者の方々にこのブランドが命を吹き込まれた意味を理解してもらうべく、さらにエモーション(感情、想い)をふくらまそうと考えました」と話す。そうして行き着いた価値が「親子が一緒に美を楽しむ時間」だった。

「赤ちゃんはやがて親と同じものを使い始めます。子どもって、親と一緒のものを使うのがすごく嬉しいんですよね。家族用シャンプーは効率性や利便性で選ばれることが多いですが、『マー&ミー』の場合は、この親と子が一緒のものを使って過ごすモーメントとその喜びこそがインサイトにあるのではないかと考えました」(藤井さん)。

売っているのは物ではなく時間?

コミュニケーションも「親子が一緒に美を楽しむ時間」を価値の中心に据えて展開している。テレビCMでは...

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コンセプトからヒットを生む 広告と商品デザイン

優れた広告・商品デザインには明確なブランドコンセプトがあります。最近ではブランドリニューアル、あるいはパッケージデザインの刷新といった局面で賛否が巻き起こる事態も起きる中、細分化した消費者のニーズに応え、ヒットを生む商品デザインと広告コミュニケーションとは。大手・中小など企業規模を問わずインサイトを捉えたコンセプト設計、あるいは企業やブランドの哲学も反映したクリエイティブを実現した商品やサービスの事例から考えていきます。