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BtoB企業のパーパスドリブンなメッセージ開発

相手を思いやる働き方を提案「#取引先にもリモートワークを」

5月1日にfreeeが立ち上げた「#取引先にもリモートワークを」。現在、80社超の企業が賛同するプロジェクトとして広がっている。内製で生み出されたコピーを軸に、賛同企業であるADKとともに「相手を思いやる働き方」を提案する。

80社以上が賛同「取引先にも」の視点

5月1日、クラウド会計ソフトを手がけるfreeeは新型コロナウイルス拡大による緊急事態宣言下で「#取引先にもリモートワークを」というプロジェクトの立ち上げを発表した。スタート時の賛同企業は、三菱UFJ銀行、リクルートホールディングス、メルカリなど24社。社内のITインフラの制約、押印や対面を前提としたビジネス慣習など、リモートワークを妨げる課題を解決することが目的だ。

さらに6月末現在では、80社以上が賛同するムーブメントとなっている。賛同企業は、自社だけでなく取引先もリモートワークができるようなアクションを設定し、各社のSNSやプレスリリースで発信してもらうという流れだ。特設サイトには、賛同企業による発信内容が連ねられている。

この「取引先にもリモートワークを」というコピーを生み出したのは、freeeのブランドマネージャーを務める銭谷侑さん。電通出身のコピーライターでもある。現在、社内にはトップの直轄でブランド部門があり、アートディレクター、コピーライター、Webデザイナーが在籍している。

始まりは、3月末に社内でコロナ禍における中小企業を支援する事業アイデアを募ったこと。その取り組みの一環で、今回のプロジェクトの発起人である金融事業部部長山本聡一さんから、銭谷さんに「新しい働き方を実現するムーブメントづくりのためのメッセージを開発したい」という趣旨の相談が舞い込んだ。

背景には、freeeの主要顧客である中小企業の多くで、リモートワークの普及が進んでいないという状況があった。実際に4月13日、同社がスモールビジネス従事者1146人にテレワークに関する調査を行ったところ「64%がリモートワークを行っていない」という実態が明らかになった。

そこから「最も共感性があって、働き方を変えるために行動したくなるメッセージは何か」という模索が始まった。「当初は“デジタルを止めるな”“社員をアナログから解放せよ”など、脱・デジタルを前提に“社員を守り、事業を継続する”といったメッセージを想定していました。しかし会社単体ではなく、より多くの企業が行動したくなる、社会的インパクトがあるメッセージが必要だと考えました」(銭谷さん)。

リモートワークに対する「IT企業や非製造業、大企業だからこそできること」というイメージが根強いことも課題だった。そこで、大企業側から「取引先である中小企業にもリモートワークを広げていこう」という意志を表明してもらうことが重要なのでは、という視点がまとまっていった。

とはいえ、先が見えない4月の時点でメッセージを策定するのは勇気がいることだった。その突破口となったのが、「取引先にも」という視点。銭谷さんは、「取引先=相手」を思いやる共感性を表現することが大事であったと振り返る。

「なおかつ、4月は...

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Withコロナ、アフターコロナにおいて、企業コミュニケーションは大きく形を変えた。業績への影響の大小にかかわらず、BtoB企業も例外ではない。一方で、従前から企業理念、パーパスを確立している企業のメッセージは強固であり、ブランドは揺るがない。その強い意志を拡張し、時にはメディアを変えて発信し続けている。従業員、取引先、学生、地域住民、投資家などあらゆるステークホルダーにメッセージを届ける、BtoB企業を支えるクリエイティブ、メッセージの力に迫った。