ヒューマンホールディングスは、3月23日から渋谷駅をはじめとする全国10か所で、コーポレートメッセージ「今日だって世界はまわっている」を表現したOOHを掲出した。

3日間で考えたキャンペーン企画
掲出されたのは、9枚のグラフィックで構成されたOOH。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかで懸命に働いている医療、観光、運輸業、政治家、在宅勤務者など、すべての働く人にポジティブな光を当てるメッセージが綴られている。
このOOHを制作した経緯について、電通 クリエーティブディレクター 瀧口裕さんは「教育事業、人材事業や介護事業、保育事業など、多岐にわたる事業を展開しているヒューマンさんは社会課題に対する感度が高い企業で、昨年秋に“今、日本で一番緊急な課題になっている課題を解決するキャンペーンを立ち上げたい”というお話がありました。それで3月末にローンチすべく準備も進めていたのですが、2月末に新型コロナウイルスの感染状況が悪化して、このままでは立ち上げられないという話になりました」。
通常であればキャンセルするところだが、ヒューマンホールディングスからは「こんなときだからこそ企業理念に沿って、世の中を励ますコミュニケーションを実施したい」という話があった。
瀧口さんは急遽メンバーを集め、いまのこの状況で何ができるのか、議論をはじめた。「ちょうど3月頭、世の中では買い占めが起きはじめ、誰もが何が正しいのか、何を信じていいのかわからなくなり、国の対応にSNSで不平不満を言う人がたくさん出てきた時。でも、そんな中でも一生懸命働いている人たちはたくさんいる。ヒューマンさんのような働く人たちを応援する会社のメッセージとしては、誰が良い悪いと語るのではなく、働いているすべての人たちへの応援になるものにしたいと考えました」。
電通 プランナー 吉川隼太さんは「個人的に思うことなのですが、人間って不安になると凶暴化して、人を攻撃する習性がありますよね。企画当時、SNS上では働く環境の変化を受け入れられず、働く人に対するマイナス意見が多く見られました。でも...