デザイン・アート・広告賞今月の展覧会&コンペティション
『PHOTONS』 ── 脇田玲

©Akira Wakita
光が波であると同時に粒子でもあることに気がついたアインシュタインは、光量子仮説を提唱した。現在の量子力学では、光の粒子は「光子(Photon)」と呼ばれている。科学者であり、現代美術家の脇田玲は、目の前にありながらも知覚することができない存在を可視化することで、世界を再解釈する作品を制作。国内外の芸術祭で数多くの作品を発表している。本展のテーマは、光子による世界の再解釈。安藤忠雄が設計した光の美術館の中で、その空間にあふれる光子の存在に意識的になることで、空間が空間でなくなり、光が光でなくなるような体験を提供する。
『PHOTONS』 ─ 脇田玲 | |
---|---|
清春芸術村 光の美術館 開催中、2020年2月2日まで 月曜および12月28日~1月1日休館(ただし、祝日の場合は翌平日休み) お問い合わせ→ 0551-32-4865 |
フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると

リアリティー・パークの雪だるま,1995
Courtesy the artist and Esther Schipper,Berlin Photo ©Philippe Parreno
フィリップ・パレーノの特徴は、映像、彫刻、ドローイング、テキストなど多様な手法を用い、展覧会を一貫したひとつのメディアとして捉えていること。つまり、展覧会は一連の出来事が展開する空間であり、個々の作品の意味ではなく、「オブジェクト」として展覧会の可能性を探っていくと、展覧会はオープンスペースとなり、時に応じて変化するフォーマットとなる。
本展では、代表作である白熱光が点滅する「マーキー」や、天井に張りつく風船「吹き出し」のほか、1995年にワタリウム美術館とヤン・フートがコラボレートした展覧会「水の波紋展」で制作した氷の「雪だるま」が、その姿を新しくし登場する。
フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると | |
---|---|
ワタリウム美術館 開催中、2020年3月22日まで 月曜および12月31日~1月3日休館(ただし、12月30日、1月13日、2月24日は開館) お問い合わせ→ 03-3402-3001 |
小さなデザイン 駒形克己展

『Little Tree』ワンストローク 2008年

『Little Eyes3 いろ・いろ・いろ』偕成社 1990年

ズッカ ロゴ決定稿 1988年頃
『Little Eyes』『Little Tree』などの絵本で知られる駒形克己。6年半に渡りアメリカで活動し、ニューヨークCBS本社やシェクターグループでグラフィックデザイナーとして活躍。その後、帰国してからはオフコースや安全地帯などのレコードジャケットやファッションブランドの招待状やタグなどのデザインを手がけた。本展は、アメリカ時代の実験的な試作から、音楽、ファッションでの仕事、絵本の制作のプロセスがわかるスケッチまで、駒形の初期から現在までの足跡を約300点の作品でたどる初めての展覧会となっている。
小さなデザイン 駒形克己展 | |
---|---|
板橋区立美術館 開催中、2020年1月13日まで 月曜および12月29日~1月3日休館(ただし、1月13日日は開館) お問い合わせ→ 03-3979-3251 |
SICF20 グランプリアーティスト展 タナカマコト 「切りひらひらく」

《タダのカミ様》(2019)
「SICF20」グランプリ受賞作品
Photo:TADA(YUKAI)

本展作品一部
生活を送る上で得たレシートをメディアとして、印字された商品名や店名など一部の言葉を残しながら、その言葉の意味から連想された形の神様を多種多様に切り出した作品《タダのカミ様》。タナカマコトの緻密で高度な切り絵の技術はもとより、人間の欲望の証拠とも言えるレシートを神様のフォルムにして浄化するといった、媒体の持つ意味と形の関連づけの独自性が評価され、SICF20でグランプリを受賞した。本展では、3歳の娘への語り聞かせから生まれた創作童話をモチーフに、会場いっぱいに拡がる切り絵のインスタレーションの新作を発表する。
SICF20 グランプリアーティスト展 タナカマコト 「切りひらひらく」 | |
---|---|
ショウケース(スパイラル1F) 2020年1月6日~12日 会期中無休 お問い合わせ→ 03-3498-1171 … |