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見る人のモーメントを捉える映像表現

テレビと異なるメディアで機能する映像にいま求められるもの

タクシーアドやトレインチャンネルで流れている映像として、多くの人に強い印象を残したのが、ベルフェイスのCM。「ヒラメ筋」という言葉で、ターゲット以外の人たちにも強いインパクトを残している。制作者である松尾卓哉さんに、テレビ以外のメディアで流れる映像の考え方を聞いた。

「暴風雨の午後」篇

テレビCMとは撮影・編集方法を変える

営業のアポをした企業へ来た先輩(照英さん)と新入社員。しかし、受付で「担当者の終日不在」が伝えられる。愚痴をこぼす新人に、「チャンスだ!」とつぶやく先輩。鍛え上げられた両足のふくらはぎを披露し「何度も通って恩を売る、それが営業だ!」と熱く語る──。照英さんが登場するCMで「ヒラメ筋」という言葉と共に認知が高まったのは、営業に特化したWeb会議システムを提供するベルフェイスだ。

テレビでもオンエアされているCMシリーズだが、当初は、関東近県の路線バス、トレインチャンネル、タクシーアド用の動画広告として企画された。「ターゲットは、営業職がある企業。オリエンを受けた時に、すぐに"足で稼ぐ"というセリフを思いつきました」と話すのは、このCMを企画した17クリエイティブディレクター 松尾卓哉さん。「足といえば、ヒラメ筋だなと。鍛えている人のふくらはぎは、筋肉がお尻のように割れてかわいい形をしています。ヒラメ筋という言葉と合わせると、営業を極めた人を象徴するビジュアルになれると思いました」。

企画にあたり、松尾さんは、バスや電車のサイネージでも機能する映像を意識して制作した。そのひとつが、画角だ。このCMでは小さい画角に合わせて、全体的に寄りのカットを増やした。「テレビに比べて、車内のサイネージは画角が小さい。だから、見た瞬間にそこに何が映っているのかがわかることが大事です。この1作目では3人の営業マンが並んで足を見せるシーンがありますが、通常引きの画角で撮ることが多いシーンを、テレビCMだったらありえないくらい、寄っています」 …

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見る人のモーメントを捉える映像表現

この1年くらいの間に、駅や電車、施設内にはサイネージが急増、家のテレビやスマートフォン以外でも映像を目にすることが当たり前になってきました。それに伴い、最近ではテレビCM、バンパー動画、SNS用の動画というように、映像をメディアやデバイスに合わせて新たに制作したり、編集することも増えていると聞きます。さらにはバンパー広告を専門とする会社が誕生し、スタートアップ向けのテレビCM出稿サービスが生まれたり、ビデオグラファーという新しい肩書を持つ人たちも登場。まさにいま、広告の映像を取り巻く環境や制作の体制が大きく変わりつつあります。そこで今号では、CMや動画に関連する新しい動きを捉えると同時に、映像において新たなる試みに挑んだクリエイティブを紹介します。CMにとどまらず、多様な動画の活用に向かう現在、そしてこれからの映像表現を考える上で何が求められるているのかを考えていきたいと思います。