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新領域ビジネスをつくるクリエイティブディレクター

まだない未来を妄想し、可能性を形にする

  • 佐藤夏生(EVERY DAY IS THE DAY)

2017年、「可能性創造」を掲げ、ブランドエンジニアリングスタジオ「EVERY DAY IS THE DAY」(以下、THE DAY)を立ち上げた佐藤夏生さん。これまでより戦略立案ではなく、ブランドの感覚を形にしていくことに重点を置くようになったと話す。

EVERY DAY IS THE DAY 佐藤夏生(さとう・なつお)
1973年生まれ。博報堂のエグゼクティブクリエイティブディレクター、HAKUHODO THE DAY のCEOを経て、2017年、ブランドエンジニアリングスタジオEVERY DAY IS THE DAYを立ち上げる。adidas、NIKE、Mercedes-Benzといったグローバルブランドのクリエイティブディレクターを歴任。近年は、TOYOTAの事業戦略やdocomoのダイバーシティCSRの立ち上げ、霧島酒造の事業戦略、渋谷区のブランディングなど、クリエイティブワークを拡張している。

佐藤さんが考える「クリエイティブディレクション」とは?

その産業、企業、ブランドの
次の感覚を形にし、
社会に産み落とすこと。

課題解決から、可能性創造へ

──EVERY DAY IS THE DAYを設立して1年半が経ちますが、クライアントから求められるものやご自身の考え方に変化はありましたか?

THE DAYがテーマにしているのは「課題解決ではなく、可能性創造」。今までと変わっていないのは、クライアントの事業の川上から関係することくらいで、仕事の流れやアウトプットは大きく変わりました。産業、企業、ブランドそもそものレゾンデートル(存在価値)を今の時代に合わせていかにアップデートするか、課題を入り口にするのではなく、可能性をどうかたちにするかを考えています。

広告を作るだけではなく、クライアントと一緒に事業そのものを開発し、社会に実装するまでを手がけることが多くなりましたね。なのでアウトプットは、プロダクトや店舗、事業コンセプトなどさまざまで、形は決まっていません。僕はもともとクリエイティブディレクションとは、あらゆる領域で通用するものだと思っていましたし、その力をますます実感しています。

──現在のTHE DAYの組織は?

現在、メンバーは9人います。これまでの広告業界の流れを見ると、コピーライターとアートディレクターが組む時代があり、最近はCDとテクニカルディレクターが組むようになっていますが、うちではCDの僕とプロジェクトデザイナー 青山尋紀が組んで動きます。最終的な納品物の形が決まっていないことが多く、プロダクトであればプロダクトデザイナーと、空間であれば建築家というように、組む相手は毎回変わります。

そこで、アイデアを実装するまでのプロジェクトそのものをデザインする人として、プロジェクトデザイナーが必要になります。僕らはアイデアを出すだけではなく、場合によっては事業の立ち上げまでやるので、どういう風にお金が回って収益を出すのかまで考えないといけません。プロジェクトデザイナーは、人、才能の管理、お金、スケジュールなどかなり広義のプロデュース能力が求められます …

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この記事が含まれる特集

新領域ビジネスをつくるクリエイティブディレクター

従来は「広告およびコミュニケーションのクリエイティブ全体を統括し、実現する人」として位置づけられてきたクリエイティブディレクター。近年はコミュニケーション領域の広がりと共に、その活動領域や手がけるクリエイティブの範疇が変わってきています。新規事業や商品の開発はもちろん、経営、インナー活性化、人事や総務にまつわることなど、これまで企業や社会の表には見えなかった部分で、いまクリエイティビティが必要とされています。今号には、こうした領域を切り拓いている8組のクリエイティブディレクターが登場。いまの時代に求められる「クリエイティブディレクション」とは、どういうものであるのか。その定義を聞きました。