気になるあのCMの演出について、ディレクターにインタビュー。今月取り上げるのは、飛行機の中でジュースを顔いっぱいに受けた男性が話題のスポティファイのCMだ。

大野監督が描いた演出コンテ
不測の事態をウイットのあるトーンで描く
飛行機の機内で、ジュースを飲み始める男性。その時、隣に座った女性が誤って男性のリクライニングシートを倒してしまう。男性の顔に思い切りジュースがかかり、焦る女性。ところが、男性は何事もなかったかのようにヘッドホンを着けて音楽を聴きながら、微笑みを浮かべる。
こんな不測の事態を描き、話題になったのは、スポティファイのCMだ。「一連のシーンを1カットで撮影するという企画で、演出面で加えるべきところはほとんどありませんでした。ギャグのCMはほぼ手がけたことがない僕に依頼されたということは、笑わせるだけの日本的なギャグではなく、どこかウィットに富んだトーンや音楽ファンが反応するシュールな要素を求めているのかなと思いました」と、演出を手がけた大野大樹監督 …