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新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち

100年前からある思いや志を 今の時代に合う言葉と形にする

東京進出100周年を2022年に迎えるカステラの文明堂東京も、富田さん率いる同じチームがリブランディングを進めている。その一つの形として、4月に新たな試みを進めていく店舗がリニューアルオープンした。

AFTER
新しい文明堂のロゴ。赤いマークを生かしながら、書体を変更し、日英併記に。

BEFORE

各地にあるが統一されていない文明堂

現在、文明堂を名乗る店舗は日本各地にあるものの、のれん分けで広がったために会社も製造工場も別で繋がりが希薄で、文明堂の名で統一したブランディングができない状況があった。それを整理してブランド力をアップしようと動き出したのが、新宿、日本橋、そして銀座文明堂を統合して文明堂東京を設立した、IT企業出身の若手経営者である大野進司社長だ。

「大野社長は2016年に社内にリブランディングチームをつくり、アソボットの笠原憲さんをプランナー兼コンサルタントとして迎えて準備を進めていました。方向性が整った18年にデザインとコミュニケーションを見直したいと、僕たちにお話をいただきました。リブランディングは大きな流れの中で進めていく作業なので、チームで綿密に連絡とって心を合わせて進めていくことが重要。そのため、ワイキキの稲生さんも含めてアユーラと同じチームで取り組むことにしました」(富田さん)

富田さんたちが参加したとき、職人が1つひとつ手で焼き上げる"丁寧"な仕事にこだわるという企業理念「お客様への約束」はすでにできあがっていた。その上位概念のフィロソフィー、企業の存在価値を考えて新たに作られたタグラインが、"いまもお菓子を開化する。"。

「文明堂の社名は文明開化の"文明"から来ていると思いますが、今後も新しいお菓子を生み出していく存在でありたいという思いを込めています。世の中の文明堂のイメージは、カステラが圧倒的に強い。でも実際はバームクーヘンやプリン、どら焼きなど、洋菓子も和菓子も分け隔てなく、おいしいものであればつくろうとする姿勢が強みなんです。例えば虎屋は和菓子を基本としていますが、文明堂は和菓子、洋菓子に限らず、おいしいお菓子をつくる会社と新たに定義しました」。

和菓子、洋菓子を手がける文明堂だが、お菓子をつくるうえでは強いこだわりを持って取り組んでいる。「文明堂ほどの規模であれば工場はオートメーション化されていると思っていたのですが、足を運んでみると、職人が1つずつ手でこねている。一つひとつ木型を使っていたり、手を使うアナログの工程が残っていることに驚きました」。富田さんたちはそこに着目し、100周年を経過しても、今後もお菓子を開化していく存在でありたいと、その存在価値を定義している。

文明堂のロゴはのれん分けで広がったがゆえに店舗ごとに統一されておらず、数種類のロゴが混在した状態だった...

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新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち

時代や社会の流れの中で、企業やブランドがそのあり方を問われている昨今。さまざまな背景や事情からリブランディングし、新たなかたちでスタートを切る企業やブランドが出てきている。これまで培ってきたものを生かして新たなかたちを築き上げるブランドがある一方で、これまで培ってきたものを潔く捨てて、ゼロに近い状態から立ち上げているブランドもある。一つとして同じやり方ではできないのが、リブランディングだ。

本特集では、さまざまな背景から、リブランディグに取り組んだ6つの事例を紹介。それぞれの考え方とクリエイティブの進め方を見ていきたい。