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新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち

32年ぶりのリニューアルでブランドの資産「音」を生かす

湖池屋のロングセラーブランド「スコーン」は、今年2月にパッケージ、フレーバーを一新。さらに「私立 スコーン学園」を舞台にしたCMやWebサイトを立ち上げ、さまざまなコンテンツを発信している。32年の歴史の中で、同ブランドがこのような形でリブランディングするのは初めてのことである。

AFTER

BEFORE

コンセプトは、「青春のパワースナック」

「スコーン」がリニューアルを図った背景には、"若者のスナック離れ"がある。スマートフォンの普及と共に、手が汚れるスナック菓子が敬遠されるようになり、湖池屋の調査結果(2018年)によると、1年前と比べてスナックの購入頻度が10代は全体の約34%が「減った・やや減った」と回答。20代前半は約22%、20代後半は約16%と、若年層になるほどスナック購入頻度が減っている。そんな中でスコーンは堅調な売れ行きを見せていたが、同社の基幹ブランドとしてより強くしていくべく、リブランディングを図ることとなった。

スコーンという商品について、ある世代以上には1988年に佐藤雅彦さんが作ったCMの印象が強く残っているだろう。CMの舞台は、社交ダンス教室。ダンス教師らしき男性が手を叩きながら、♪~スコーン スコーン コイケヤ スコーン スコーン スコーン コイケヤ スコーン カリッとサクッと おいしいスコーン と歌うリズムに合わせて、男女がダンスを踊る。

「僕らの世代でスコーンと言えば、誰もが思い浮かべるのは、佐藤雅彦さんが作ったダンスのCM。でも、いまの若い人たちはそのCMも知らないし、スコーンという商品に対するイメージは白紙の状態になっていました」と話すのは、リニューアルを手がけたネアンデルタール クリエイティブディレクター石井原さん。

「ロングセラーブランドとして存在はしていたけれど、かつてのCM以外、スコーンとはどういうものなのか、その存在が見えにくくなっていました。そのため、ほぼゼロに近い状態からスコーンというブランドにどういう色を付けて、キャラクター性を持たせるかということを考え始めました」。

止まらぬ「若者のスナック離れ」を受け、主に10代の若者に対して寄り添うべく、打ち出したコンセプトが「青春のパワースナック」だ。「どんなに時代が変わっても、ファッションや見た目が変わっても、若者はいつもお腹を空かせているし、がっつりと食べ応えのあるものが好き。そういう若者たちにガンガン食べて欲しい」、そんな考えから生まれたコンセプトワードで、コピーライター斉藤賢司さんが書いたもの。

ライバルはスコーンと同じスナックではなく、中食と呼ばれるカップ麺やおにぎり。同社では製品を生地から見直し、食べ応えがあり、しっかりとした味の3タイプの商品を新たに開発した。

親しみやすい番長キャラクターを作る

石井さんは湖池屋のオリジナルショッパーを見て、あることに気づいた。ショッパーにはムッシュ・コイケヤ、ドンタコスおじさん、ポリンキー、ヒーおばあちゃん、ヒーヒーおばあちゃん、ピンキーモンキーと同社商品の人気キャラクターが並んでいるが、実はスコーンだけキャラクターがいなかったのである。「具体的なキャラクターがいなかったことも、ブランドキャラクターがはっきりしなかった一因ではないか」と、石井さんは考えた …

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新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち

時代や社会の流れの中で、企業やブランドがそのあり方を問われている昨今。さまざまな背景や事情からリブランディングし、新たなかたちでスタートを切る企業やブランドが出てきている。これまで培ってきたものを生かして新たなかたちを築き上げるブランドがある一方で、これまで培ってきたものを潔く捨てて、ゼロに近い状態から立ち上げているブランドもある。一つとして同じやり方ではできないのが、リブランディングだ。

本特集では、さまざまな背景から、リブランディグに取り組んだ6つの事例を紹介。それぞれの考え方とクリエイティブの進め方を見ていきたい。