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新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち

「肌の幹を育てる」というコンセプトから生まれた 「しなやかな強さ」のデザイン

発売から18年経つ自然派化粧品ブランド「草花木果」(キナリ)が、経営母体が変わったことを機にリブランディング。今年3月に、新たなブランドロゴとパッケージによるラインナップの発売を開始した。

AFTER

BEFORE

以前に使用されていたパッケージは、素材に合わせたカラーリングでラインナップされていた。

ブランドと同時にプロジェクトも新しく

草花木果は資生堂が2001年に立ち上げたブランドだが、同社が経営資源の投下先を絞り込む中で、コスメなどのEC事業を展開するスクロールに、同ブランドを有する資生堂の子会社キナリが譲渡された。それを機に、忙しい日々を送る女性の肌に寄り添い健やかな肌を作るブランドとして新たなスタートを切った。

草花木果のリブランディングが通常のそれと少し異なるのは、商品やクリエイティブだけではなく、チームの運営にも関わらざるをえなかった点だ。「新生キナリのメンバーは、この事業ために内外から新たに参画した方たちです。ブランドをどう新しくするか、それぞれの経験からお持ちのアイデアを生かすためにも、まずは草花木果をどうとらえるかという点を共有する必要があると思いました」とクリエイティブディレクターの沢辺香さん。

ブランドへの共通認識が定まっていない中でのリブランディング。事業全体を思いながらスキンケア分野をどう考えるか。何を残し、何を加えるのか。沢辺さんはベン図を書くなどしながら、チームの認識を一つにまとめていったという。

打ち合わせを繰り返すなかで、さまざまな課題が浮きぼりになった。「以前のメイン訴求は、"日本の伝承自然力"。例えば寒い冬にはゆず湯に入る、竹の皮で食べ物の腐敗を防ぐなど、その知恵には根拠があるけれど、伝承という言葉は今だとレトロ感が強すぎると感じました。また、18年続くブランドでユーザーの年齢幅が狭くなり、時代に合わせてアジャストすることも必要でした。社長からは"ポテンシャルのあるブランドだから、もっとワクワクできるものにしたい"というお話もありました」。

そこで、沢辺さんが考えた草花木果の新たなスローガンが、「日本の自然の力とうれしくなる。」だ。「自然派のブランドがたくさんある中で草花木果はどうあるべきかと考えたときに、使う人と同じ故郷で生まれ育った国産原料を使って、気持ちがポジティブになれる、そういうブランドになれたらと思ったんです」。

同時に、このスローガンのもと、具体的にメッセージするスキンケアのコンセプトを絞り込んでいった。「今は商品を一つ購入するにもシビアな時代。"肌にどう効くのか?"という問いに対する答えが必要だし、日本の自然のものを使っている、というだけでは買ってもらえない。草花木果は肌に効く成分をしっかり配合していますが、そのアピールが足りなかったと感じたので、今回はっきりと伝えることにしました」。

こうして生まれたのが「育てるべきは、肌の幹。」という新たなコンセプトだ。「忙しい現代人は肌も外からの刺激でストレスフル。常に肌が過活動状態で休めていないのだそうです。商品チームからは、肌をちゃんと休ませて、そこにきちんと浸透した成分は内から肌を元気にする働きがあると …

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新時代「令和」に生きる ブランドの新しいかたち

時代や社会の流れの中で、企業やブランドがそのあり方を問われている昨今。さまざまな背景や事情からリブランディングし、新たなかたちでスタートを切る企業やブランドが出てきている。これまで培ってきたものを生かして新たなかたちを築き上げるブランドがある一方で、これまで培ってきたものを潔く捨てて、ゼロに近い状態から立ち上げているブランドもある。一つとして同じやり方ではできないのが、リブランディングだ。

本特集では、さまざまな背景から、リブランディグに取り組んだ6つの事例を紹介。それぞれの考え方とクリエイティブの進め方を見ていきたい。