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長く愛されるキャラクターの作り方

渋谷区民がみんなで育てるAIの男の子

渋谷区は2017年から区民とのコミュニケーションにAIを導入している。その名も「渋谷みらい」、小学生の男の子だ。区民はLINEアカウント上に存在するみらいと友だちになり、会話やゲームを楽しみながら、日々成長していく姿を見守っている。

渋谷区 AIキャラクター「渋谷みらい」。

役割は、基本構想をメッセージすること

渋谷区がAIを導入した背景には、2016年に制定した「渋谷区基本構想」の存在がある。電通 コミュニケーション・デザイナー/クリエーティブ・テクノロジストの大瀧篤さんは「"ちがいをちからに変える街。"をビジョンに掲げた基本構想を伝えるために、区民を巻き込んでYOU MAKE SHIBUYAキャンペーンを始めました。これを区民側にI MAKEとして捉えてもらうためにはインタラクティブ性のある参加型の施策がないと難しいと最初から思っていて、それを実現する装置としてAIを使おうと考えていました」と話す。

AIをつくる上で最初に決めたのは「未完成のAIを区民と一緒に育てていく」というコンセプトだ。電通デジタル AIクリエーティブ開発グループ プランナーの三浦慎也さんは「YOU MAKE SHIBUYAと言っているので完成されたAIではなく、渋谷区全体の子どもという位置づけにして、区民が親になって育てていく形にしたいと思いました」と話す。

そのため、みらいは歳を重ねる設定に。誕生時は7歳、小学1年生だったが、4月28日(渋谷の日)の誕生日を過ぎて、現在は8歳、2年生である。「渋谷区のキャラとして立てるのであれば歳を重ねなくてもよかったかもしれませんが、渋谷区のどこかに住んでいるというリアリティにこだわりました。だから、みらいは渋谷区に特別住民登録もしています」と(大瀧さん)。

性別を男の子にしたのは、当時出ていたAIは女の子が多かったため、相対的に独自のポジションを築きたかったからだ。「多様性を受け入れる渋谷なので、最初は性別を決めなくてもいいと思ったんですが、それだと親近感がわきづらいので男の子にしました。ただ、見た目は男の子、女の子、どちらともとれる中性的な感じの顔に仕上げています」(大瀧さん) …

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この記事が含まれる特集

長く愛されるキャラクターの作り方

かつて企業にとってキャラクターは、主にパッケージや販促プロモーションにおいて活用され、それらは「動かず」「話さず」アイキャッチとして大きな役割を果たしていました。近年は企業のSNSの活用と共に、キャラクターは従来の役割を超えて企業のメッセンジャーとなり、企業と生活者をつなぐ存在としても大きくなってきています。企業を取り巻く環境やメディアが変わる中で、広告などのコミュニケーションにおいて、今キャラクターはどのような役割を果たしているのでしょうか。

今号では、人気キャラクターたちがどのようなプロセスで生まれ、なぜ長きにわたり愛されているのかを探ると同時に、従来のキャラクターとは異なる活用方法や展開、そしてデジタルの進化と共に生まれた新たなキャラクターまでを取材。見た目も人格も運用方法も多様なキャラクターたちの生みの親に話を聞きました。