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長く愛されるキャラクターの作り方

自治体初の「VTuber」は新人女子アナウンサー

茨城県の観光スポットやグルメを紹介する県運営公式インターネット動画サイト「いばキラTV」は、2018年8月3日付けでバーチャルYouTuberの「茨ひより」を公式アナウンサーとして起用した。

「いばキラTV」の新人アナウンサー「茨ひより」。

自治体初のVTuberを作る

「茨城県は県域民放テレビが唯一ない都道府県なので、それを補完する役割で2012年から『いばキラTV』を開局しました。動画共有サービスとして世界最大のプラットフォームであるYouTubeの中で、"どうしたら『いばキラTV』を見てもらえるか"と模索していました」と、茨城県営業戦略部プロモーション戦略チームの渡邉一彦さんは話す。そのときにオプトから提案されたのが、「トップバーチャルYouTuber(以下 VTuber)とコラボレーションする企画」だった。

企画を出したオプト Studio Opt 映像ディレクターの小林立典さんは「最初はオリジナルでVTuberを作るつもりはありませんでした」と振り返る。「僕たちも、茨城県もVTuberを作ったことはありませんでしたから。ただ渡邉さんたちと打ち合わせを進めていく中で、今、自分たちでVTuberを作れば"自治体初"の冠が取れる。それが話題になれば、動画を見てもらえるきっかけになるかもしれないと思い、自分たちでオリジナルのVTuberを作ることにしました」。

目的は、茨城の魅力を知ってもらうこと。他にはない面白いコンテンツを作ることで、茨城の魅力を自然な形で伝えて行くためのメッセンジャーが、茨ひよりである。

「オール茨城」特産物で構成したデザイン

オリジナルでVTuberを作るにあたり、最初に決めたのは「性別」だ。「当時人気のVTuberはほとんどが女性で、チャンネル登録者数の多い男性VTuberはほぼいませんでした。なぜかと考えたとき、女性キャラは男性ファンだけでなく、かわいければ女性も興味を持つ可能性があるからファンが増えやすいんですね。今回は認知、ターゲットの拡大が目的なので、女性に決めて、さらに年齢、世代問わずに愛される条件である"元気"と"かわいい"の2つを柱にして、女子アナウンサーという設定にしました」(小林さん)。

茨ひよりは高卒で県庁に入庁し、初めての異動で、バーチャル広報課に所属する3年目の新人女子アナウンサーである。ちょっとドジなところが憎めない、20歳くらいの女性、という設定だ。こうした女性を具体的に形にするにあたり、髪の長さ、瞳の色、洋服からパンプスのヒールの高さまで、スタッフ全員で細かい要素を詰めていった …

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長く愛されるキャラクターの作り方

かつて企業にとってキャラクターは、主にパッケージや販促プロモーションにおいて活用され、それらは「動かず」「話さず」アイキャッチとして大きな役割を果たしていました。近年は企業のSNSの活用と共に、キャラクターは従来の役割を超えて企業のメッセンジャーとなり、企業と生活者をつなぐ存在としても大きくなってきています。企業を取り巻く環境やメディアが変わる中で、広告などのコミュニケーションにおいて、今キャラクターはどのような役割を果たしているのでしょうか。

今号では、人気キャラクターたちがどのようなプロセスで生まれ、なぜ長きにわたり愛されているのかを探ると同時に、従来のキャラクターとは異なる活用方法や展開、そしてデジタルの進化と共に生まれた新たなキャラクターまでを取材。見た目も人格も運用方法も多様なキャラクターたちの生みの親に話を聞きました。