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長く愛されるキャラクターの作り方

相反する世界観の中でキャラクターのかわいらしさを際立たせる

「いっしょうのおねがいです。グルメなたまご、きよらでつくったおふとんをかけてください」とかわいい声で語られるセリフと愛らしい姿で注目を集めた「寝冷えネコ(きよニャ)」(以下 きよニャ)。このキャラクターの産みの親である福部明浩さんに、CMにおけるキャラクターの考え方を聞いた。

寝冷えネコ きよニャ

キャラクターは声が9割

きよニャは、ブランドたまご「きよら グルメ仕立て」を展開するアキタのCMに登場した、ケチャップライスでできたネコのキャラクターだ。「当時流行っていたキャラ弁で、オムライスの卵をおふとんに見立てているのを見て、そこから発想しました」と、企画を手がけたcatch 福部明浩さん。

「このCMはキャラクターがいた方がいいなと思ったものの、たまごの広告なので、ひよこや鶏をキャラクターにするのはちょっと残酷だし、見た人が微妙な気持ちになる。そのとき思い当たったのが、オムライスのキャラクターでした。そしてCMとしてかわいくするために必要なものを考えつつも、最後にスプーンをオムライスにぐさっと刺すシーンを作りたかったんです(笑)」。

一見、残酷に思えるシーンには、福部さんの狙いがある。かわいいだけでは一部の人にしか刺さらない。かわいいキャラクターとシニカルでシリアスな世界観を対比させ、そこにギャップを作ることで、CMを見る人に強く印象づけることができるからだ。きよらの最初のCMで言えば、お母さん役の女優の小雪さんは陰が落ちたキッチンにいて、終始シリアスな表情、暗いトーンで話している。そうすることで、きよニャがしゃべったときのかわいらしい声が際立ってくるのだ。

「キャラクターというのは、声が9割」と福部さん。「きよニャの声を決めるオーディションでは、さまざまな声を聞きました。その中で新津ちせちゃんの声を聞いたとき、自分で生み出したキャラクターながら、きよニャはこういう声をしていたんだ、と思いました」 …

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長く愛されるキャラクターの作り方

かつて企業にとってキャラクターは、主にパッケージや販促プロモーションにおいて活用され、それらは「動かず」「話さず」アイキャッチとして大きな役割を果たしていました。近年は企業のSNSの活用と共に、キャラクターは従来の役割を超えて企業のメッセンジャーとなり、企業と生活者をつなぐ存在としても大きくなってきています。企業を取り巻く環境やメディアが変わる中で、広告などのコミュニケーションにおいて、今キャラクターはどのような役割を果たしているのでしょうか。

今号では、人気キャラクターたちがどのようなプロセスで生まれ、なぜ長きにわたり愛されているのかを探ると同時に、従来のキャラクターとは異なる活用方法や展開、そしてデジタルの進化と共に生まれた新たなキャラクターまでを取材。見た目も人格も運用方法も多様なキャラクターたちの生みの親に話を聞きました。