
(左)坂本美慧(博報堂 2018年TCC入会) (右)井村光明(博報堂 1994年TCC入会)
プロ・アマ問わず競うコピーバトル、C-1グランプリ.今回審査してくれたのは、2018年度TCC賞でグランプリを獲得した博報堂の井村光明さんと、最高新人賞を獲得した博報堂の坂本美慧さん。2018年を代表するコピーライターのお2人が選んだコピーとは!?
課題 141 若い人がエレキギターを買いたくなるコピー
講評
好きな音楽は?と訊くと「映画のサントラ!」と答えた坂本(30)と80年代ヘビーメタルを愛する井村(49)が各々6本ずつコピーを選んだ結果、なんと1本もかぶらず。音楽性の違いにより打ち合わせは10分で解散、二人はソロとしてコピーを選ぶこととなりました。奇しくもギターへのジェネレーションギャップを露呈した二人。が、一方応募作を見ると、平成の時代を越えてギターのイメージが全く変わってないことを浮き彫りにしていました。
多かったのは「持ってればモテる」「置いてればインテリア」そして「愚痴も叫べばロック」の3方向。変わらないというよりも、現状のおっさんイメージで未来が見えず、バンドブームだったあの頃に戻るしかなかったのかもしれません。しかし明らかに、ギター弾かなくても幸せになれるこの時代。「モテる」「インテリア」「愚痴」なんて他で解消できるはず。それでもギターを選ぶモチベーションってなんだろう。ソロ活動でコピーを見直し一週間。最後まで1本もかぶらなかった僕と坂本ですが、最終セレクトの視点は、再結成を予感させるかなり近いものでした。
グランプリ 井村賞
「暗い」が「クール」に変わる。
吉井雅施
受賞者コメント:
グランプリをいただいたにもかかわらず、シャレたコメントが思いつきません。なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいですが、ギターを弾けたら、そんなみっともなさも許される気がしました。ありがとうございます。
コメント:
ギターしなくてもリア充になれる時代なのは知ってるよ!でも今さらダンス仲間にゃ入れないんだよ俺たちは!ターゲットが明解。昔からある切り口ですが、階層社会の今だから響きそう。
グランプリ 坂本賞
意外な一面は、自分で作る。
石神慎吾
受賞者コメント:ありがとうございます!ちょうど、コピーをもっとがんばりたいと思っていたところでした。がんばります
コメント:ギター始めるって、「恥ずかしい」感じが私はあって。それこそ「お前が!?」と言われそうで。似合ってないのわかってますけど、あえてです。みたいに思える考え方が好きでした。
準グランプリ 井村賞
定年祝いにギターとは。若返るじゃないか。
井上健輔(メディアハウスクリエーション)
「若い人」から外れてますが、退職祝い、売れそう!若い女子が伊勢丹でネクタイを選ぶようにお茶の水で「これ専務に似合いそう~」と手にすれば、ついで買いも?
ファンなら何人作っても浮気じゃない。
戸田理弓(横浜メディアアド)
SNSの時代は「モテそう」よりも「増えそう」ではないでしょうか。風刺性よりも、言外に従来のギターイメージを変えSNS映えを連想させる言葉選びが好きでした …