クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は、ファッションデザイナーの濱田明日香さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で』
ジョン・M・マクレガー(著)、小出由紀子(訳)
(作品社)
大人になるにつれて身についてしまう固定概念、自己顕示欲や承認欲求など、ものを作る上ですごくじゃまになるこういった邪念が一切はいらない、ピュアな衝動で生み出されるアール・ブリュットの作品たち。初めて目にしたのは京都で芸大生をしていたとき、アール・ブリュットという言葉が輸入され始めた頃。今は本屋にもひとつのカテゴリーとして存在する、障害者によるアートだけど、当時は障害者によって作られたものをアートとして美術館に並べるということ自体が新しかった …