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世界を舞台に活躍するクリエイターの新しい働き方

漢方らしさを生かしたデザインリニューアル

  • 久能真理

台湾の医院から、漢方薬局で扱う商品のパッケージデザインのリニューアルの依頼を受けたアートディレクター/グラフィックデザイナーの久能真理さん。台湾以外のデザイナーの目線で、漢方のデザインを提案してほしいという期待があったという。

真珠粉の商品のパッケージ。

ブレーンの企画を見て依頼があった

台湾で漢方薬局「意一堂国醫薬行」を併設する医院「意一堂中醫診所」(以下 意一堂)から、アートディレクター/グラフィックデザイナーの久能真理さんにパッケージデザインリニューアルの依頼があったのは2015年のこと。当時、日本に住んでいたクライアントの1人がブレーンの誌面で久能さんの作品を見たことがきっかけだったという。

「その方は日本の建築事務所やコンサルタント会社で働いていた経験を生かし、意一堂の店舗リニューアルにあたりパッケージも同時に変えようとデザイナーを探していました。ちょうどブレーンの企画で制作したブックジャケットが目に留まったようで、さらに代官山蔦屋書店で行った関連展示も見て気に入ってくれたらしく、SNSを通じて連絡がありました」。

具体的に依頼された内容は、意一堂が販売する真珠粉(真珠を細かい粉末状にした漢方薬で、服用すると美容や安眠に効果があると言われる)のパッケージデザインリニューアルと、包装紙や封筒、薬袋などのツールの刷新だった。

「『伝統的な昔ながらの漢方薬』という印象は大切にしてほしいという要望がありました。現状を見せてもらったところ、個人商店ではよくあることですが、マークや色、名称などがバラバラになっていて統一されていませんでした。ただ、以前からメインで使っていた『意』をモチーフにしたロゴマークはよくできていると思いました。使い続けている本人たちは気づかないかもしれませんが、日本人の私から見ると元々使われていたタイポグラフィなども魅力があったので、生かせるものは積極的に新しいデザインに取り入れていくことにしました」。

真珠粉のパッケージデザインに関しては、「高くてよいものとして他社と差別化したい」という要望があった。「女性の服用者も多いと聞いていたので、古きよきものをモダンに解釈した高級感のあるデザインにしようと考えました。伝統的な中国の漢方らしさとして、筆で書いた漢字の書体や自然素材を用いましたが、伝統的な和のデザインとも通じる部分があります。高級感と言っても豪華絢爛にするのではなく、繊細な感じが出せるよう、進めていきました」 …

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