クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に生かしているのか。今回は、イラストレーターの黒田潔さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『ぼくの美術ノート』
原田治(著)
(亜紀書房)
人にとっての「美」とは、何なんだろうか。美術大学に通う頃からそんなテーマは、何度も頭の中には浮かんできていたけれど、原田さんの言葉は、その答えを探すことは、とても自由で楽しいことなのだと実感させてくれる。
原田さんが選ぶ「美術」とは、美術館で目にするようなものだけでなく、旅先で見つけたお土産品や大好きな映画に登場する衣装など、日々の生活の中で目に止まるものたちの中からも選ばれていて実に楽しい。
原田さんが創立した学校で、講師をさせていただいている縁で、以前、原田さんのコレクションを、直接見せてもらえる機会があった。まるで子ども時代の秘密基地を覗くようなワクワク感と、コレクションを楽しげに紹介してくれる原田さんの話の中にあるセンスとユーモアを垣間見れたのは、とても貴重な時間だったと思う …