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特別座談会 コピー年鑑にはアイデアのヒントが詰まっている

公開日:2018年5月15日

TCC賞受賞作品をはじめ、毎年800点もの作品を収録しているコピー年鑑。いま現場で活躍するコピーライターのみなさんは、このコピー年鑑をどのように活用し、自分の仕事に生かしているのだろうか。

左から尾上永晃さん、谷山雅計さん、玉山貴康さん、竹田芳幸さん

写経でコピーを身体に覚えさせる

谷山:毎年4月にTCC賞審査会が実施され、各賞が決まります。TCC賞を受賞するのは当然うれしいことなのですが、実は会員にとってコピー年鑑に自分の仕事が掲載されることも大切な目標なんですね。ところが、最近はインターネットでいろいろな広告が見られるようになったこともあり、コピー年鑑を手に取る人が少なくなっています。でも、年鑑ってコピーを読むだけではなく、いろいろと有用な使い方がある。それを今日は、玉山さんと尾上さんに聞いてみたいと思います。まず玉山さん。玉山さんと言えば、"写経"というイメージがあるのですが。

玉山:僕は32歳でクリエイティブに転局したものの、コピーの師匠もおらず、コピーをどう書いたらよいか、わかりませんでした。その状況は、中学時代と同じだなと。自分は、卓球部でした。いわゆる全国的な卓球強豪校ではなかったんですけど、そのなかでどうすれば自分は強くなるのか、自分なりに練習方法を工夫しました。その経験を思い出し、決めたのが、コピー年鑑を自分の師匠にすること。とにかく信じてみよう。第一線のコピーライターが選んだコピーだから。もうひたすら写経しました。

谷山:そのときにどんなことに気を付けていましたか。

玉山:2点あります。ひとつめは、なぜこのコピーは良いとされているのか?を考えること。もうひとつは、同じ仕事がきたと仮定したときに、どういうふうに考えれば、このコピーが自分の中から出てくるのか?を考えることです。それを年鑑10年分、10冊分ですね、やり続けました。およそ8000本近くになりますでしょうか。キャッチフレーズ、リードコピー、ボディコピーすべて。よいフレーズがあれば、CMのナレーションも書き写しました。

谷山:ただ書き写していたわけではないですよね?

玉山:はい。この2つのことを考えなければ、写経をしても意味がないと思います。世に出たアウトプットから逆算して、企画意図を想像する。まるでバーチャルな広告制作です。それをひとつひとつ、10年分。身体に覚えさせるように続けていたある日。不思議ですが、自分はいいコピーが書ける!という自信めいたものをふっと感じたんです。そうなってからというもの、早く仕事をしたくて、コピーが書きたくてたまらなくなりました。

谷山:写経は単に書き写すだけではなく、そうやって考えながら手を動かすことが大事ですよね。実は、僕も写経はしないけど近いことをやっていました …

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