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越境クリエイターの働き方

建築からブランディングへ そしてサービス デザインへ

  • 室井淳司 (アーキセプトシティ)

大学で建築を学び、広告会社に入り、空間の体験デザインを手がけていたアーキセプトシティの室井淳司さんは今、オンラインとオフラインを統合するサービスデザインの領域へと軸足を移している。2度の“越境”を経て、自身の働き方も変わってきたという。

室井淳司(むろい・あつし)
アーキセプトシティ代表/クリエイティブディレクター/一級建築士。1975年生まれ。東京理科大学卒業後、博報堂入社。2013年アーキセプトシティ設立。主な仕事に、キリン一番搾りガーデン、Lipton Fruits in Tea、表参道布団店、丸亀製麺の店舗リブランディングなど。著書に『体験デザインブランディング』(宣伝会議)。

未来洞察に基づく次のサービスをデザインする

大学の建築学科を卒業し、「日本の空間デザインをもっと洗練されたものにしたい」という思いで、2000年に博報堂に入社。そこで、室井淳司さんが最初に担当したクライアントは日産自動車だった。当時の日産自動車はカルロス・ゴーンの指揮のもと企業改革の真っ最中で、ブランドのスペシャリストチームが組まれ、シンボルマークのリデザインをはじめ、ブランド運用のための各種の規定づくりが進んでいた。その中で、ギャラリーなどの空間領域でのVI規定に試行錯誤で取り組みながら、ブランドマネジメントの視点を身につけたのがキャリアのスタート地点だったという。

「普段何気なく接していた企業の広告やコミュンケーションに、これだけ緻密なルールが設定され運用されていたのか、と新人の頃に衝撃を受けたのを覚えています。ここから、自分の仕事は、空間や体験を通じて企業のブランドをつくることだと思って一貫して仕事をしてきました」。「キリン一番搾りガーデン」や「Lipton Fruits in Tea」など、形こそ空間だが、あくまで広告という気持ちで取り組んできた。

だが最近になって、広告を超えたサービスデザインの領域へと、さらに仕事が広がりを見せている。例えば、2017年10月に名古屋にオープンしたトヨタ自動車の「DRIVE TO GO BY TOYOTA」は、「シェア」の考え方を基軸に、同社の自動車や「i-ROAD」がレンタルできる新サービスだ。25歳以下には低価格でレンタカーを提供し、キャンプグッズやサンドイッチ、コーヒーを人数分無料で提供する …

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この記事が含まれる特集

越境クリエイターの働き方

「人生100年時代」と言われる中で、いくつになっても学び直し、新しいことにチャレンジしようという機運が高まっている。広告界に目を向ければ、身を置く場所を変えながら新しいスキルを獲得したり、異分野の経験を新たな分野に持ち込んで挑戦を続けるクリエイターの活躍が目立つ。同時に、クリエイティブ組織のあり方も変わってきた。エージェンシーやプロダクションといった従来の役割や形式にとらわれず、多様性あるメンバーが集まり、新しい役割で柔軟にクライアントをサポートしようとする会社や組織が増えている。本特集では、職種、業種の壁から国や人種まで、さまざまな境目を軽やかに超えながら活躍の場を広げる個人や組織にスポットを当て、多様な形の“越境”スタイルを紹介していく。