
審査員長 佐々木康晴(電通)
オンライン動画には、「面白がらせ方」の新しい力学がありますよね。メディアの特性や、見てくれる人の行動パターンなどを深く理解していないと、いくら表現のセンスがあったとしても、届かない。今回の一般公募部門は、その面白がらせ方、心のゆさぶり方の工夫がよく練られているものが多く、楽しみながら審査させてもらいました。でもでも、まだまだ、いろいろあると思うんですよね。誰にも試されていないやり方が!

木村健太郎(博報堂ケトル)
よいオンラインフィルムの基準は毎年進化していると思うのですが、今年思ったこと。ニトリは「お値段以上」ですが、オンラインフィルムは「お時間以上」。見るのに費やした時間以上の何かをもたらさないと見た人に損をさせたことになってしまう。だから、作り手の思いだけで作られた作品や、先の読める何かのパロディではもう不十分で、見た人の感情や行動に何かしらのポジティブな影響をもたらすことが必要な気がします。
一般公募部門のグランプリは、曲名だけでドラマを描くという、新しい遊びを教えてもらった感じがして、ちょっと友達に教えてあげたくなります。広告主部門のグランプリは、こんなに長尺なのに、予想を裏切り続ける驚きの連続で、1500m走った後のような気持ちいい読後感をもたらしてくれます。どちらも圧倒的にお時間以上だったと思います。

中島信也(東北新社)
はじめてのBOVA。Web動画がテレビCMの求めるところとちょっと違うんやっちゅうことをヤングの皆さまから学びました!いじられる映像。鑑賞するだけやなくて参加できる映像 …