

2階のプレゼンルーム。打ち合わせ時はテーブルを閉じ、プレゼン時は開いて使う。上の写真の左手に掛かっているのが、アーティスト松山智一さんに描いてもらった作品。力強く走り続ける神獣がモチーフになっている。
電通CDCに在籍していた岸勇希さんが今年4月に設立した「刻キタル」のオフィスは六本木にある。3つのフロアの中で、最も刻キタルらしさが凝縮されているのが2階のプレゼンルームだ。プレゼンをきちんと聞いてもらえる環境を作りたいと、設備のクオリティには徹底してこだわった。テーブルはプレゼン時には開ける仕様になっており、すべての席から見えやすい。「時に数億円が動くこともある空間なのだから、話す側も聞く側も気持ちよく、かつ緊張感を持って臨めるようにしたい」と考えた。
この部屋には、NY在住のアーティスト松山智一さんに会社設立に寄せて描いてもらった作品が掛けられている。松山さんの作品の持つ躍動感、繊細さ、自由さに惹かれ依頼したという。同社の名刺や封筒などあらゆるデザインにアイデンティティ・マテリアルとしても使用されている。
1階は打ち合わせおよびセミナー用フロア。刻キタルではクライアントに向け、同社メンバーが最新の知見をフィードバックするセミナー「PARTNERS MEETING」を開催しており、その会場としても使われる。3階はワークフロア。シンプルで仕事に集中できる心地よいスペースだ。
どのフロアも機能を体現する独立した空間にしたいと考え、小さくても複数フロアを持てる物件を最初から探したという。「人の気持ちをデザインする会社」を標榜する同社らしく、フロアを移動することで、自然と気持ちが切り替わるようデザインされたオフィスになっている ...