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アイデアで活性化 地域×クリエイターのプロジェクト

若手職員と地元企業のタッグで制作したオリジナル婚姻届

人口減少や人口流出は多くの自治体が抱える課題。立川市は解決に向けて、市の若手職員を集めたワーキンググループを立ち上げた。そこから生まれたのが人気の「プレミアム婚姻届」だ。

若いカップルが立川市を訪れるきっかけをつくる

立川市「プレミアム婚姻届」。

中は複写式になっており、おめでたいイメージの市松模様のデザインになっている。

立川市が昨年5月から販売している「プレミアム婚姻届」(1000円)が人気を集めている。特徴は、複写式のため夫婦2人の筆跡を残すことができる点と、提出後に台紙に思い出の写真を飾りつけてオリジナルのアルバムとして使える点だ。この婚姻届は立川市外在住者も購入可能で、市内ホテルなどで販売されている。

立川市がプレミアム婚姻届を作成した背景には、人口流出の課題があったという。立川市では25~39歳の女性が市外へ転出している傾向にあり、結婚して定住する女性が少ないことが想定された。そこで同市は2015年に地方創生のアイデアを立案する市職員を募集し、ワーキンググループを結成。

その一員である二ノ宮真輝さんは「若い女性がどうしたら立川市に興味を持つかという視点で議論しました。ライフスタイルの転換期に着目して出てきた3つの案の1つがプレミアム婚姻届です。立川市でしか手に入らない婚姻届を作ることで、若いカップルにまずは立川を訪れてもらう機会を作ろうと考えました」と振り返る。

プレミアム婚姻届を作成する際にワーキンググループが相談したのは、地元立川市で50年以上経営を続けている老舗印刷加工会社の福永紙工。以前から市役所関連の印刷の仕事も手がけていた。相談を受けた福永紙工 代表取締役の山田明良さんは20~30代のワーキンググループのメンバーがやる気に満ちているのを見て、面白い仕事になりそうだと予感したという。その後、山田さんが国立市在住のデザイナー、三星デザインの三星安澄さんに声をかけ、地元チームの三位一体でプロジェクトを進めた。

立川市のワーキンググループが出した要望は、「写真が入れられ、かつ結婚式で飾ることもできるデザイン性のある婚姻届」だった。「自治体が出すデザイン婚姻届としては北海道の東川町の例などが知られていますが、調べたところ、結婚式で飾る人が多いとわかりました。そこで、プレミアム婚姻届も式で飾ってもらえ、さらにその後も家に飾ってもらえるように、デザイン的に突き抜けたものにしたいと考えました」と二ノ宮さん。表紙の窓の部分には型抜きの加工を施し、婚姻届を提出した後はアルバムとしても使えるようにした。

また、厚みのある紙を使って、特別感を演出。色は女性に好まれるよう ...

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