プロ、アマ問わず競うコピーバトル、C-1グランプリ。今回審査にあたってくれたのは、宝島社の企業広告「死ぬときぐらい好きにさせてよ」のコピーで2016年TCC賞を受賞した電通 太田祐美子さんと同アートディレクター小松洋一さん。お2人が選んだコピーとは!?

(左)ゲスト 小松洋一 さん(電通)
(右)出題者 太田祐美子さん (電通)
出題テーマ「死が怖くなくなるコピー」
たくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。小松さんと二人で、みなさんからいただいたコピーを何度も何度も見返しました。「いやあ、このお題むずかしすぎたかも」と唸りながら。天国は楽しいよと言われても、想像でしかないし。生まれ変わるから大丈夫と言われても、実感がない。何人かの方も書いてくださっていましたが、死はどうやったって怖いものなのだと改めて気づかされました。絶対的に、怖い。そしてそうあるべきなのだと。
そんな中で、よりどころになっていったのが、宝島社の原稿を制作する際に樹木希林さんからいただいた言葉「生きるのも日常、死ぬのも日常」でした。死を疎むことなく、焦ることもなく、日々のこととして受け入れていく。達観したこの姿勢が、やはりひとつの解なのかも。
グランプリに選ばせていただいたのは、そんな1本になりました。死ぬことが怖くなくなることはきっとないけれど、死は決して悪者ではない。人生の一部なのだ。それが今のところ私たちにとっての一番の「死が怖くなくなるコピー」なのだと思い至りました。難しいお題に挑んでくださった皆さま、本当に本当にありがとうございました。(太田)

