前田知巳、三井明子のコピーの作法

公開日:2014年9月24日

今号では、36人のコピーライター、プランナーの皆さんに自身の「コピーの作法」をご執筆いただきました。36人のコピーライター、プランナーの頭の中にある「コピーの作法」をどうぞ覗いてみてください。

    作法というより、この仕事をやっていての感想。

    前田知巳

    ● 世の中にその商品を送りだす「意義」を、クライアントに確信してもらう言葉。
    日々および人生における何らかの「欲求」を、生活者に発見してもらう言葉。
    そのふたつを同時に満たす言葉が、コピーの理想である。

    ● 上に記した「欲求」の解釈は人や場合によって様々でいい。
    というか、様々でなければ不自然である。

    ● クライアントの頭や心のなかに入り込んで、
    クライアントが見ている景色と同じ景色を見る、という意識を持つ。

    ●その景色はまだ曖昧なものかもしれないが、そのもやもやのなかから、
    クライアントがその商品で何をいちばん言いたいかという「核」を見つける。

    ●まず、その「核」の部分に自分がときめいているかどうかが大事である。
    そうでなければほとんどの場合、それは世の中に送り出すべき「核」にはなりえない。

    ●なぜならコピーライターは、その仕事から、今までになかった「欲求」を
    生活者として最初に発見する、という重要な役割を担うからである。

    ●自分がそこで感じたときめきに対して、世の中はどう感じるのか、
    どれだけ響くのかという、想像力を駆使した検証を行う。

    ●その過程で、その「核」を言葉化した場合、果たしてその言葉は「ソリッド」がいいのか
    「ソフト」がいいのか、「動的」がいいのか「静的」がいいのか、
    「寡黙」がいいのか「冗舌」がいいのか、という言葉の人格を設定していく。

    こんな風に仕事ができたら僕的にはいいコピーに近づけるんじゃないか、
    という感想みたいなものです。
    だから(もちろんおわかりでしょうが)いつもこんな風に順調な手順で
    仕事が進んでいるわけではありません。あしからず。

    「おじいちゃんにも、セックスを。」「団塊は、資源です。」など宝島社の企業広告、キリンビールやシャープなどの企業スローガン、最近ではトヨタ「86」「クラウン」「DRIVING KIDS with TOYOTA」などを担当。またユニクロの基幹店舗や商品をはじめ、様々な企業のコンセプトワークも手掛ける。

    コピーは、内申書と似てる?

    三井明子

    あるとき、コピーは内申書に似ていると思いました。
    そう、進学のために担任の先生が書くあの内申書です ...

この記事の続きを読むには定期購読にご登録ください

月額

1,000

円で約

3,000

記事が読み放題!