これまでもCSR活動を行ってきた企業は多くありましたが、近年はCSV活動として本業の一部に組み込むケースが増えてきています。それは、より企業の透明性が求められており、本業の社会性を高めることが企業の存続にかかわる時代になっていることの表れであるとも言えます。
また、いくらCSV活動をやっていても、コミュニケーションに落とし込み、社内外に伝えていなければ透明性があるとは言えず、せっかくの活動の意義も薄れてしまいます。きちんとマーケティング活動として行うことで利益が生まれ、さらなる社会貢献につなげることができます。
本講座では、本業を通じた社会貢献事業についての考え方を理解し、自社がやるべき活動と社内外へのコミュニケーション施策を学びます。
日本では、1970年代の公害問題をきっかけに企業の社会的責任(CSR)が問われるようになりました。そこから時代とともに考え方も変化し、2015年の国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたり、2019年のG20大阪サミットでは海洋プラスチックごみの削減が重要な議題のひとつになったりと、国内外で環境問題や社会問題へのより積極的な配慮・対策が喫緊の課題になっています。
そこで重要視され始めているのが、本業を通じた社会貢献活動を行う「CSV」という考え方です。最近ではその波が消費者や投資家にも広がっており、環境・社会・人に優しい「エシカル消費」を好む消費者や、環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう「ESG投資」の考え方も普及してきています。
時間 | 講義内容 |
10:00-12:00 |
社会貢献をマーケティングに活かす戦略のつくり方 ・CSRとCSV/コーズ・リレーテッド・マーケティング(CRM)の違い ・CRMの効果 ・CRM実施時の留意点 ・企業事例 |
13:00-15:00 |
CSVのコンセプト策定と社外コミュニケーションポイント ・企業事例 ・自社のDNAからコンセプトを策定する ・コンセプトをコミュニケーションにどう落とし込むか |
15:20-17:20 |
社員一人ひとりがCSVを推進するためのインターナルコミュニケーション ・企業事例 ・パーパスを軸にしたコミュニケーションの組み立て方 ・推進するためのインターナルコミュニケーション |
世良 耕一氏
東京電機大学 教授
柿並 俊介氏
McCann Health Japan
エグゼクティブクリエイティブディレクター
草野結子氏
キリンホールディングス株式会社 CSV戦略部
主務