内容ではなく視聴習慣がつくる情報源としてのメディア
「芸人と動画クリエイターはどちらが面白いのか」という問いがある。この問いには、「面白いほうが選ばれる」、つまり、「メディアはコンテンツによって選択される」という前提が存在している。
しかし、テレビがかつて栄華を誇ったのは、人々が朝の支度をしながらニュースや情報番組を流し見たり、夕食後に「お茶の間」でバラエティー番組を見ていたりと人々にテレビを視聴する習慣が定着していたことが大きい。社会学者のガーブナーは、テレビを「社会のあり方を激変させた存在」と評価したが、その理由のひとつが、視聴行動の非選択性だ...