アドフラウド、ブランドセーフティなど、デジタル広告の掲載品質問題は深刻さを増している。こうした課題に取り組むべく2021年に設立されたデジタル広告品質認証機構(JICDAQ)。2025年6月には総務省が広告主等向けガイダンスを発表するなどさらに社会的な関心も高まるなか、設立5年目を迎えたJICDAQの現状と課題、そして今後の展望について、JICDAQ事務局長の小出誠氏に話を聞いた。
デジタル広告の掲載品質対応 認証事業者数も着実に増加
デジタル広告市場は拡大を続ける一方で、アドフラウドやブランドセーフティなど、掲載品質問題への懸念も高まっている。こうした課題の解決のため、2021年3月に設立されたのがデジタル広告品質認証機構(JICDAQ)だ。日本アドバタイザーズ協会(JAA)、日本広告業協会(JAAA)、日本インタラクティブ広告協会(JIAA)の広告業界3団体の協力のもと、デジタル広告の掲載品質認証を行う第三者機関として誕生。「アドフラウドを含む無効トラフィックの除外」と「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」に関わる業務プロセスに基準を設け、適合した事業者を認証することで、デジタル広告取引の信頼性向上を目指している。
2025年6月1日時点で、品質認証を取得した事業者は176社、JICDAQの理念に賛同し登録したアドバタイザーは180社、広告取引に直接関与しないがJICDAQの活動をサポートする賛助登録事業者は5社にのぼる。JICDAQ事務局長小出誠氏は、「設立から5年、JICDAQは順調に拡大してきたという認識...