妖怪の棲むまちに見る地方文化の魅力と奥深さ
人口減少や少子高齢化の流れもあって、「地方消滅」とか「地方衰亡」とか、「地方」は散々な言われようである。そもそも「地方」とは、何を指しているのだろうか。強いて言うなら、「大都市とは独立した歴史と文化を継承している地域」といった感じか。しかし、実際に「地方」へ行くと、街並みの美しさや蓄積された歴史の品格の高さに、改めて驚く。それらは必ずしも観光資源化されていないので、知る人も少なかったりするが、その独自の文化をむざむざと失うことはあまりにも切ない。
例えば、長野の小布施である。この街は、栗菓子と北斎館で有名だ...