
(左)1995(右)2025
2025年に発売30周年を迎えたカゴメの「野菜生活100」。その飲みやすさからヒットした「キャロット100」(1992年発売)の成功を受け、野菜をクセなくもっとおいしくすることができれば、より多くの人が日常的に野菜飲料を飲めるのではないかと、果実を加えた野菜飲料の開発が始まった。
そして、1995年5月、「野菜生活100」を発売。パッケージには「野菜不足をおいしく解決できる」というコピーを入れ、野菜を日常的においしく摂ってほしいという想いを込めた。発売後、ターゲットであった都市部在住の働く女性による購入の他にも、子どもにも飲ませるといった傾向が見えてきた。以来、「家族のため」の飲み物として、「飲みやすさ」「おいしさ」を訴求するコミュニケーションを図ってきた。同社マーケティング本部の上里知子氏は「家族みんなにおいしい野菜飲料として、『野菜飲料を国民的健康飲料』にというスローガンを立て、冷蔵庫を開けたら牛乳の隣に『野菜生活100』が並んでいる姿を目指した。1999年には牛乳と同じ形の紙パック容器の商品を発売した」と話す。
こうしたブランド価値を再確認するきっかけとなったのが、2011年の東日本大震災だ。家族の繋がりや...