激しく移り変わるメディア環境と変化なきメディアへの固定概念
私が専門とする社会心理学では、研究者の業績評価が(英語で書かれた)論文によって行われる傾向が年々強まっている。専門研究者同士のコミュニケーションはそれでも構わないが、研究で得られた知見の社会還元という観点でいえば、一般読者向けの書籍、新聞やテレビのインタビュー、そして本稿のような雑誌のコラム・記事は大切である。また、プライベートの点からも、大学卒業後に人文社会系の大学院という不思議な道に進んだ人間が何をしているのかを、友人たちに知ってもらう機会になり得る。
私の人生で友人たちからもっとも高く評価されたのは...