「音」だけだから面白い!ラジオCM原稿の書き方

公開日:2024年8月28日

  • 廣瀬泰三氏(電通)

「動画広告部門」「音声広告部門」において絵コンテ・字コンテ作品も募集している「宣伝会議賞」。エフエム福岡と宣伝会議の共同講座として今年で16期目を迎える「ラジオCM 制作実践講座」で講師を務める廣瀬泰三氏が、ラジオCMならではの魅力や、CMコンテ制作のポイントを解説します。

電通
コピーライター/CMプランナー
廣瀬泰三氏

大切なのは最初の5秒で“異常値”を生み出すこと

僕の場合、新卒で広告会社に入って初めて「自分でつくった」と手ごたえを感じられた媒体がラジオCMでした。テレビCMの場合は自分で考えたプランを元に監督や演出家と一緒になって制作していくパターンが多いのですが、ラジオCMの場合は、自分が書いた原稿がそのまま形になることがほとんど。あるいは収録現場で監督としてディレクションをしていく中で、効果音を入れる場所や間合い、セリフの取捨選択をしていきます。

逆に完成したものが面白くなければ、全部自分のせいというのも怖いところ。原稿を書いた段階では面白かったのに実際、形にしてみたらそうでもなかった…ということに気付けるのも大事でしたね。

ラジオCMをつくることで、演出方法や秒数の感覚も身に付いていきます。これはテレビCMの企画をつくるときにも、間違いなく役立ちました。

ラジオCM制作のポイントは右ページに示した通りです。特にラジオCMは、最初から真剣に聴こうとしている人はほとんどいません。「宣伝会議賞」の場合は、キャッチフレーズから派生してシナリオをつくることもあるかと思いますが、その一番伝えたい「ひとこと」を聴いてもらうために作戦を練ります。

大切なのは最初の5秒で“異常値”を生み出すこと。「何かおかしなことが起きたぞ」と耳を振りむかせることに全力を注いでください。

ラジオCMの魅力は、冒頭でも述べましたが、誰でも形にできること。映像の場合は実現に予算がかかったり、やってみないと分からないことも多いのですが、ラジオなら「ほな、録ってみよ」ができますからね。公募の場合も実際にスマートフォンなどで録音してみて、ブラッシュアップしていきます。音声だけなので、時間や場所も自由自在に飛び越えられる。「伝えたいこと」が最も伝わるシチュエーションや演出を工夫していきます。

なぜ「面白い」と思ったか その理由を分析してみる

ラジオCMに限らず、面白いクリエイティブを生み出すために必要なのは、普段の暮らしの中で「面白い」と感じた物事を分析することだと思います。「おかしなことを真顔で言ってるから面白かったんやな」とか、「偏見がすぎることを堂々と言っているから笑ってしまうんやな」とか。自分の感情を、ぜひ一度振り返ってみてください。

「宣伝会議賞」は「一行で100万円」ともうたっていて圧倒的にキャッチフレーズ部門の応募が多い賞です。それにもかかわらずあえてラジオCMに挑戦するというその姿勢は、5年後、10年後に間違いなく力になると思います。


CMコンテ制作のポイント

前例を知る

実際の音声を聴くことができればベストですが、これまでに広告賞を受賞したラジオCMの原稿を、『コピー年鑑』やWebサイト等で過去10~20年分遡って読んでみてください。そして、そこにはない面白い企画を考える。「よい原稿を見る」こともトレーニングになります。

何を伝えたいかを明確にする

商品のことをひたすら考えて、どんなことを言えばその商品が欲しくなるかを突き詰めます。

まずは書いてみる

「面白い原稿を書くぞ!」と構えずに、まずはノートやWordに書き出してみましょう。最も伝えたい内容が伝わるシチュエーションや登場人物は何か、探り出してください。

実際に声に出して読んでみる

映像と違って、すぐに形にできるのもラジオCMの特長です。20秒の尺であれば、読んでみて18秒くらいに着地するのがベストだと思います。

勇気があれば家族や友達に聞かせてみましょう。特に冒頭5秒はすごく大切。最初に耳を振り向かせることに9割の力を注ぐくらいの感覚です。


ラジオCM原稿の例

第15期「ラジオCM 制作実践講座」グランプリ 野口 温さんの作品


「宣伝会議賞」の場合、応募時にタイトルは必須ではありませんが、入賞した際に無題の場合は本人に連絡の上、【〇〇篇】とつけていただきます。

「SE」「NA」などの表記・略称に規定はありません。表現や意図が分かるように書いてください。
例)SE=効果音(Sound Effect)
  NA=ナレーション
  ♪=サウンドロゴなど
  M CI/FI=BGMのカットイン(CI)、フェードイン(FI)
  M CO/FO=BGMのカットアウト(CO)、フェードアウト(FO)

「宣伝会議賞」の音声広告・動画広告部門に規定の秒数はありません。実際に放映されるラジオの「スポットCM」は20秒が一般的ですが、15秒、30秒、60秒、120秒などの尺もあります。

    課題

    総合衣料品店「やまだい」が展開する「ファミリーファッションやまだい」の企業ブランド広告

    生活に必要な衣類や雑貨を、安く豊富に取り揃えている「ファミリーファッションやまだい」。広告の目的は、「やまだい」を知らなかった人に「ちょっと行ってみようかな」と思ってもらい、知っている人にも「もっと見てみようかな」と思ってもらうこと。※オリエンシートより抜粋

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