スタートアップ企業がテレビCMを活用するようになって久しいが、フェーズに応じて、適切なタイミングやメッセージは異なる。自身も事業会社としてCM出稿に携わり、現在マーケティングアドバイザリファームBloom&Co.で代表取締役を務める彌野泰弘氏が、その手法を解説する。
テレビCMの価値を引き出す3つのポイントとは?
スタートアップ企業がテレビCM活用において陥りがちな課題として、扱う商材によって打ち手はまったく異なるのに、ある企業で成功事例があると“テレビCMの勝ち方”というふうに抽象化し、単純に横展開をしてしまうことがあります。加えて、スタートアップ企業がテレビCMのような大々的な広告投資を始める際には、投資家が参画し、事業成長を期待されているケースが多いと思います。それゆえ、初期に考えなければならないのはいかにして投資家の理解を得るかということ。短期間で数千~数億円の費用を投下するテレビCM出稿の蓋然性を明確に説明するためにも、まずは次の3つのポイントを検討しましょう。
ひとつめは、プロモーションを行うタイミングです。自社のプロダクトが、市場において、顧客のニーズを満たしPMF(Product Market Fit)している状態になっているかどうか。そうでない場合にマスマーケティングを行っても、事業は成長しません。...