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届けたい相手には普段使いの言葉で等身大の共感や発見をストーリーに込める

  • 長谷川賢人氏

    商品に対する興味・関心を醸成するネイティブアドの極意

    ☑ 「嘘」を排するために、まずは自分自身の感情をよく知る。

    ☑ 嘘と退屈を嫌う生活者に向けて、日常の中の異常に着目してみる。

    ☑ 読み終わった人が誰かに伝えたくなる、添えてシェアしたくなる言葉を仕込む。

「売れる」より「選ばれる」 常に、買う人の立場から考える

「売れる」よりも「選ばれる」を目指す。そこから始めるのはいかがでしょうか。大切なのは、いつも買う人の立場から見ること。特に「ネイティブアド」においては、より欠かせない観点だと考えています。

私は2012年、メディアジーンに入社し、主に男性ビジネスパーソンを想定読者にしたWebメディア「ライフハッカー・ジャパン」で、コンテンツやネイティブアドの制作に携わりました。その後、「北欧、暮らしの道具店」で知られるクラシコムに転じ、ライフスタイルを重視する女性を想定読者に制作。セグメントや狙いが異なる実作経験や考え方を学びました。現在はフリーランスの編集者・ライターとして、読み物から音声配信までさまざまなWebコンテンツに携わっています。

まずは今回、筆を執っていく「ネイティブアド」が扱う領域を定義します。日本インタラクティブ広告協会(JIAA)によれば、「デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告を指す」とされています。

その中でも私は、JIAAの分類では「インフィード広告【媒体内誘導型】」に属し、いわゆる「記事広告」「タイアップ記事」「スポンサードポスト」と呼ばれるコンテンツについてお伝えします。自社所有ではない外部メディアへ費用を支払って制作する記事広告(ペイドメディア)を念頭に置いていますが、オウンドメディア、アーンドメディアを含めた「トリプルメディア戦略」においては連携する部分もあるため、それらの担当者の方にも何かしら感ずるところのある記事が書ければと思っています。

本稿のゴールは、ネイティブアドを「書く側」も「依頼する側」も、より良い成果へたどり着きやすくなるための共通認識をまとめることです。

ネイティブアドのコンテンツは一般的なライター仕事とは違う

ネイティブアドはコンテンツとして提供されますが、あくまで制作物は「広告」であることが根本です。

ネイティブアドに携わる人は、基本的には「より良い広告のあり方」を模索していく姿勢が求められます。

これは「書く側」も同様で、広告制作に携わる以上は、踏まえるべきポイントや肌感覚といったものは一般的なライター仕事ではなく、広告業界に倣う部分が大きいことを理解しなくては円滑に進みません。

クライアントの意向を汲むことはもちろん炎上リスクへの配慮、競合製品を登場させないといった広告業界的な慣習、商材によっては「薬機法」の注意なども必要になってきます。

さらに「書く側」も「依頼する側」も押さえておくべき前提として、2023年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反に。「消費者が自主的かつ合理的に商品・サービスを選ぶこと」を妨げる広告は規制の対象に当たります。

企業から掲載を依頼されたネイティブアドであることを読者へ明示し、その上で読んでもらい、掲載した商品やサービスの魅力が伝わるコンテンツを目指していきましょう。

企業や商品には興味がある嫌われるのは「嘘と退屈」

以前私が勤めていたクラシコムの青木耕平さんが、とあるセミナーで伝えていた言葉は、ネイティブアドをつくるための原則として、とても的を射ていたのでまずは紹介します。

テレビの企画で「新商品の裏側!」といった話題はよく流れますし、商品の工場見学や企画背景を紹介する番組も人気です。つまり、生活者は商品や企業の話に興味がないのではなく、「嘘と退屈」を嫌っているのではないか、というのが青木さんの考えでした。

リアリティのない話、ポジショントーク、ストーリー性のない情報の羅列など、要は「面白く語られていないこと」が問題なのです。また近年、特に「嘘」はマイナス感情の大きな要因になっているようにも感じます。ステルスマーケティングをしようとしたり、誇大広告を打ったりしてしまうことへの嫌悪感にも通じていると言えそうです。

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