企業内だけでなく、広く社会全体で、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進が必要とされています。そもそもDXとは何なのか?そしてDXの鍵となる、データ利活用のポイントとは?DXの基本となる考え方から実践方法まで、全12回の連載で解説していきます。
前回は、生活者にとってより魅力的な体験を提供するためには、企業の枠を超えたデータ連携も必要であるという話をしました。
生活者は通勤や通学、買い物や子供の送り迎えなど、それぞれの生活圏で行動していますが、そこで利用するサービスは1企業、1自治体が提供するものに収まりません。
1社・1自治体で完結することがないなかで、生活者の体験の満足度を総合的に高めるためにはどうすればよいのか?その施策を考えるヒントが「人」中心のデータ利活用にあります。
ある生活者が、地域巡回バスやタクシーで役所へ行って手続きをするケースでは、その所要時間を交通事業者が把握できれば、消費者が役所を出るタイミングに合わせ、効率的に車両を回すことができます。目的地がスーパーマーケットや銀行に変わっても同じです。その人の行動に合わせた、分野を超えた連携によるサービスが、極上のシームレス体験を提供することにつながり、生活者の満足度は比例して高く...