社会課題を自分ゴト化し、行動変容を促す「ソーシャルマーケティング」の有用性

公開日:2021年6月29日

  • 瓜生原葉子 氏

行動科学でより良い社会をつくる
ソーシャルマーケティングによる社会課題の解決

● 著者/瓜生原葉子
● 発行所/文眞堂
● 価格/3630円(税込)

持続可能な社会を実現するために定められたSDGs。これらの達成のためには、政府や企業、そして市民がその重要性を理解し、連携し合うことが求められている。また昨今は新型コロナウイルス感染症の拡大防止においても、情報発信のあり方、さらにはそれを受け取った人々にどのように行動を起こしてもらえるかは大きな課題となっている。

一人ひとりが問題に向き合い、意思決定や行動を起こすには、どうしたらよいのか。本書『行動科学でより良い社会をつくる』では、人々が社会課題に関心を持ち、自発的に行動するまでのメカニズムを解明。具体的なコンセプト策定と、適切なターゲットに合わせた多様なアプローチの展開を図る、「ソーシャルマーケティング」の有用性を提示する一冊だ。

ソーシャルマーケティングの鍵となるのは、単なる心理的な変容ではなく「行動変容」を起こすこと、そしてあらゆる分野の理論や知見を用いて学術的にアプローチすることにあると説く。こうした考え方は、特に公衆衛生分野において長く用いられてきた。

例えば、食生活の見直しや運動習慣といった、“健康に良いと分かっていても、なかなか実行できないこと”を、どのように...

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