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OOHが持つ「ブランディングメディア」としての可能性

  • 若林宏保氏(電通)

従来のメディア区分で言えば、プロモーションメディアに位置付けられてきたOOH。しかし、そのメディアがある場所が持つ文脈に着目することで、ブランディングメディアとしての活用可能性も広がる。「プレイス・ブランディング」を得意とする電通のクリエーティブ・ディレクター若林宏保氏が場所とOOH広告の関係について、解説する。

OOH広告が内包する“場所性”の価値とは?

現代の生活者は、一歩家を出ると看板や中づり広告やデジタルサイネージなどさまざまなOOH広告に囲まれながら日常生活を送っています。これまでOOH広告は不特定多数の人々の目に触れるため、効果が測定しにくい媒体でしたが、近年はスマホの位置情報による行動データの活用で、ターゲットが多くいる導線上に効率良く広告を展開することも可能になってきました。

デジタル活用によるOOH広告のスマート化が進む一方で、独自の特性として忘れてはならないのが、その場所にあるという“場所性”(Placeness/プレイスネス)です。

「場所」とは広い概念であり、「都市」「地域」「郊外」「街」「通り」「村」「区画」などさまざまな単位が存在しますが、単位の大小に限らず、その場所ならではの意味や文脈を持ち合わせています。そうした場所性をOOH広告に取り込むことで、ブランドの持つ世界観を表現することができるのではないかと考えられます。では、具体的にはどのような活用があるでしょうか?3つの活用法について事例を交えて説明していきましょう。

場所性を取り入れた OOH広告の活用事例

①場所の文脈をブランドイメージ強化に活用する

1つめは、場所の文脈をブランドイメージ強化に活用する例です。例えば、渋谷のスクランブル交差点は今や世界の人が交差する祝祭空間ですが、交差点を渡ったところに建つビルの上部にあるサイネージでは、「コカ・コーラ」のブランド要素である赤とボトルと泡が弾けるような映像が流れ、渋谷の国際的な賑わいを「コカ・コーラ」らしく盛り上げています。

また、新橋駅のSL広場側の壁面にサントリーの「角ハイボール」のOOH広告が掲出されています。女優の井川遥さんが「新橋の角ハイボールがお好きでしょ。」というコピーと共に街行く人に語りかけています。取り扱いのある店頭では黄色い提灯がお客さまを誘います。

このように「新橋=ビジネスパーソンが集う飲食店の街」というイメージをうまく活用しながら、これから飲もうとするシーンで展開することでハイボールの連想を強めることに成功しています。このように、場所の文脈を少し取り入れることで、OOH広告その場所に溶け込んでいき、ブランドイメージの強化につながっていきます。

②ゆかりの地であることを連想させる

2つめは、そのブランドのゆかりの地であることを...

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