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医療系スタートアップ・カケハシの課題発見プロセスとコミュニケーション

  • 中尾 豊氏(カケハシ)

昨今のスタートアップ企業は社会課題起点、ソーシャルバリューを意識した事業開発が軸になっているケースが多い。業界特有の背景を踏まえながら、どのようなコミュニケーションが必要なのか。薬局体験アシスタント「Musubi」を提供するカケハシの代表取締役社長 中尾豊氏に話を聞いた。

医療体験の向上を目指す 新たなポジションをつくりたい

日本は医療の質が非常に高いのですが、患者視点のオペレーションが組めているかという点で、課題を感じていました。私はかつてMRとして大学病院を訪問していましたが、特に規模の大きい病院では、診察が終わるまでに2〜3時間かかります。会計を終えて、門前薬局で投薬されるまでにもさらに一時間以上待つことも。

そして“医療体験”というのは、病院に行って薬をもらって帰るだけでは終わりません。利用者の目線で考えると、自宅で注射を打った時や薬を飲んだ後、お医者さんに聞いてみたいという心理的な変動が起きる。そうした場合の医療従事者のタッチポイントは、今までありませんでした。カスタマージャーニーならぬ、“ペイシェントジャーニー”に対する医療従事者のアプローチをITでカバーする。これが患者さんの医療体験価値の向上につながると考え、2016年3月に事業を立ち上げました。

そこで私たちがリリースしたのが、薬局体験アシスタント「Musubi(むすび)」です。このシステムは、薬歴業務状況や店舗の収益、患者さんとの関係性などをデータベースにして見える化します。そして従来の業務を効率化するとともに、患者さんに対しても、薬局内での服薬指導だけではなく、服薬期間中、“薬局外”のフォローが可能になるというソリューション。患者さん・薬剤師を軸に、医療従事者、さらに物流にもシームレスに情報提供することで持続可能なエコシステムを形成する、他業界との連携も見据えています。

薬局体験アシスタント「Musubi」では、画面を見せながら服薬指導を行う。

メタ視点と現場の徹底調査が潜在的な課題発見につながる

医療関連の事業を立ち上げるにあたって、まず人口統計や国家予算、政府の戦略などを調査しました。すると、現状と共に、少し未来の課題感が見えてくる。それを事業に落とし込んでいくためには、薬剤師がどのような働き方をして、何に困っているか。患者さんの求めるものは何か、これらを解像度高くとらえる必要がありました。

よくある事業開発の失敗談としては...

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