ブランドマーケティングにおける課題は当然、そのブランドが属する商品カテゴリーに影響を受けます。各ブランド固有の悩みもありつつ、特に大きなものが、その商品カテゴリー全体に共通する課題。そして、この「カテゴリー課題」を打ち破る戦略を企画できたマーケターこそが、競合他社との戦いを勝ち抜き、消費者とのエンゲージメントを獲得することが可能となります。
本特集では、日本を代表するトップブランドのマーケティング担当者にアンケートを実施。カテゴリー課題として感じていること、そしてその課題を打ち破るための戦略とアイデアを聞きました。
セロテープ(1948年~)
ニチバン
商品の現在の状況:絶好調

▶対象顧客
大手流通、事業所・オフィス、家庭、学童
▶ブランドコンセプト
地球にやさしいセロテープ。
▶マーケティング戦略の方針
使いやすさだけでなく、天然素材が主な原料であるセロテープの環境貢献を広く知らしめる。
ブランドカテゴリーとカテゴリーが抱える課題
粘着テープ
コモディティ化。
課題解決のための取り組み
性能だけでなく、環境への貢献を告知する。
特に注力している施策
・商品開発
・広報・PR
・その他(SDGs)
注目の消費トレンド
① CO2削減
② ECの展望
③ リサイクル技術

ニチバン
テープ事業本部
事業本部長
小林 英治
入社以来テープ製品の販売と企画に携わる。主力製品のセロテープの魅力を訴求し、認知拡大に努めている。
ココナッツサブレ(1965年~)
日清シスコ
商品の現在の状況:好調

▶対象顧客
コミュニケーションのターゲットは10~20代男女
▶ブランドコンセプト
こだわりの製法と配合による、サクサク食感のクセになるおいしさ。
▶マーケティング戦略の方針
「ココナッツサブレ七変化」と題して多様な情報発信でブランド力強化と若年層のイメージチェンジを目指す。
ブランドカテゴリーとカテゴリーが抱える課題
ビスケット
ロングセラー商品が多く、ユーザーの多くが40代以上に持ち上がっている。他カテゴリーよりも情報発信量が少ない。
課題解決のための取り組み
10~20代の若年層に向けてWeb動画を制作、限定パッケージを発売するなど、ブランド資産を活かした提案を継続して話題化を図った。この結果、普段は買わない10~20代の購買が増加。
特に注力している施策
・商品開発
・Web広告(ブランディングが主目的)
・SNS
注目の消費トレンド
① ウィズ・アフターコロナでの生活様式の変化
② 企業におけるSDGsの取り組み
③ ジャンプがヒットを出し続ける仕組み

日清シスコ
マーケティング部第2グループ
ブランドマネージャー
石田 晃三
菓子メーカーのマーケを経験後、日清食品へ入社。日清シスコに出向。現在ココナッツサブレ、シスコーンのマネジメントを行う。