日本ジビエ振興協会は、国産ジビエの普及と定着を目指す団体。蓼科高原のオーベルジュのオーナーシェフが、狩猟現場の現状を知ったことをきっかけに活動を開始した。行政など関係者と協力して、衛生的な加工・流通のルールをつくっている。

オーベルジュ・エスポワールのジビエ料理。

長野トヨタ自動車と共同開発した、トラックの荷台スペースが解体処理設備になっている「ジビエカー」。
長野県に本拠を置く日本ジビエ振興協会では、国産ジビエの普及と定着を目指し活動してきた。代表理事は、蓼科高原でオーベルジュ・エスポワールを営むオーナーシェフ、藤木徳彦氏である。
「2012年に任意団体を立ち上げ、2014年にはNPO法人日本ジビエ振興協議会に、その後2017年に一般社団法人日本ジビエ振興協会としました。ジビエを日本の食文化として普及させ、地域社会に貢献することを目指しています」と話す。
東京出身の藤木氏とジビエとのかかわりが始まったのは、同氏が蓼科中央高原(茅野市)に、フランス式のオーベルジュ(宿泊機能付きのレストラン)を1998年にオープンさせた時だ。地元の農家から食材を仕入れる中で、農作物が野生動物により深刻な被害を受けている現状を知った。同時に...