
小売経営論
● 著者/高嶋克義、髙橋郁夫
● 発行所/有斐閣
● 価格/2600円(税別)
ものやサービスを消費者に販売する「小売」は、私たちの生活にとって非常に身近な存在だ。しかしながら近年、インターネットの発達に伴うECの成長や、消費者が重要視する価値が「モノからコト」へ変化するなど、小売業を取り巻く環境は大きく変化している。
本書『小売経営論』は、小売業に関する専門知識が体系的に記された、“小売業の教科書”的な1冊だ。小売業の役割や組織の在り方、店舗展開、売上・利益に関する計数管理といった基本的な知識をはじめ、EC事業や小売業における情報化といった近年の動向も幅広く解説。さらには、小売業の観点から見た環境問題やSDGsにも触れており、1冊で専門知識を習得できる内容となっている。
各章末には、その章で解説した内容についての「演習問題」が用意されているため、知識を得るだけではなく、得た知識をすぐに応用でき、より深い理解につながる構成となっている。
また本書では、小売業におけるサービスについても言及。ここでいうサービスとは、販売員が顧客に対して行う対人的なサービス活動を中心としており、顧客への丁寧な挨拶や商品説明、レジでの迅速な対応などが挙げられる。著者によると近年、小売業においては、ものを販売する役割だけではなく、付随するサービスへの関心が高まっているという。