
ラグジュアリーと非ラグジュアリーの店舗立地戦略
● 著者/熊谷健、監修者/長沢伸也
● 発行所/文眞堂
● 価格/3200円(税別)
人口の減少やライフスタイルの変化により一般家計における服飾費は減少傾向にある。市場が縮小するなか服飾品企業の価格競争は激しさを増し、業界内のコモディティ化が深刻となっている。一方で、ラグジュアリー市場は世界的に見れば今も拡大傾向にある。このような動向から一般の服飾品ブランド(非ラグジュアリーブランド)が、ラグジュアリーブランドのマーケティング戦略にならってブランドの価値向上を図り、直営店の店舗立地イメージを重要視する流れも生まれている。
本書『ラグジュアリーと非ラグジュアリーの店舗立地戦略』でも、こうした状況から導き出されたひとつの仮説に対して論考を深めている。その仮説とは「ラグジュアリーとかけ離れた低価格カジュアル衣料の店舗が高額家賃を必要とする高級立地に出店することは、消費者からのブランド評価を上げることになり得るのか」というもの。
複数の服飾品企業で経営企画担当役員を務めた著者が、ラグジュアリーブランドにとって有効な店舗立地戦略が、非ラグジュアリーブランドにも有効なのかを考察。先行研究から立案した仮説を基に複数の実証研究を実施し、そこで得た示唆を、実在する企業の店舗開発事例を用いて検証している。
一連の研究から...