パンツで世界が変わる!? フランスの生産国イメージを生かすブランディング

公開日:2019年5月22日

ファッションを中心とした新しいライフスタイルの発信源である、フランス・パリ。パリに駐在する日本人マーケターが街中で見つけた、新しいトレンドを紹介。トレンドをマーケティングと異文化理解の2つのフレームから読み解きます。

新興パンツブランドがバズる きっかけは、大統領選

「世界を変えたいなら、まずパンツから変えよう」という風変わりなスローガンを掲げる「Le Slip Français(フランスのパンツ)」というブランドをご存知でしょうか。トリコロール(フランス国旗の青・白・赤)をモチーフに、デザインから生産までの全てを「メイド・イン・フランス」に、こだわった愛国心溢れるコンセプトと尖ったマーケティング戦略で、設立からわずか数年で急成長を遂げた人気の下着ブランドです(11年設立、17年売上高17百万ユーロ)。

注目を集めるきっかけとなったのは、2012年春の大統領選です。オランド前大統領が選挙ポスターで掲げたスローガン「今こそ変革を」をもじり、「今こそパンツを変えよ」と自社の宣伝をしたところ、当時の不況ムードに笑いをもたらし、Facebook上で瞬く間に拡散したのです。

時流に乗った同社は、香料入りマイクロカプセルを繊維に埋め込んだ「良い香りがするパンツ」の開発やビックブランドとのコラボレーションなどでブランドの存在感を高めていき、1枚29~35ユーロ(4千円前後)もするパンツが今や飛ぶように売れているそうです …

この先の内容は...

宣伝会議』 定期購読者限定です

ログインすると、定期購読しているメディアの

すべての記事が読み放題となります。

購読

1誌

あたり 約

3,000

記事が読み放題!