音声認識技術で新しいエクスペリエンスを創出

公開日:2019年4月22日

  • 瀧川 淳氏(エヴィクサー)

屋外大型ビジョンと連動し、専用アプリがダウンロードされたスマホをビジョンにかざすと高品質サウンドを聞くことができるサービスなども展開。

汎用性の高い音声認識技術 活用事例も多様に広がる

スマートスピーカーの浸透など、いま改めて音によるコミュニケーションに注目が集まりつつある。「音のソリューションパートナー」と自社を評する、エヴィクサーも音ビジネスの可能性の広がりを感じている。

エヴィクサーは音の信号処理に基づくソフトウェアの研究開発を手掛ける企業で、主に「音声フィンガープリント」と「音声透かし」という2つの要素技術を使い、自動コンテンツ認識「Evixar ACR」とスタジアムや劇場で使用する音声通信を制御する「Another Track」の2つのソリューションを提供している。

代表取締役社長の瀧川淳氏は「当社が開発した『音声フィンガープリント技術』は、マルチメディアデータの内容を信号処理して分析。指紋で個人を認識できるように、任意の機器で再生されるマルチメディアデータの内容を認識することを可能にする。『音響透かし』は音声信号に暗号化を施した文字情報などを埋め込む技術」と説明する。

これらの要素技術を織り交ぜることで同社では、劇場やスタジアムでスマホによる多言語字幕や会場演出に連動したメッセージを表示したり、テレビ・ラジオの視聴を探知して、スマホにポイントを付与したり、ユーザーの位置情報を収集したり、防災・一斉放送が流れるとスマホに多言語情報や避難経路を表示したりといったソリューションを提供してきた。

普遍的なビジネスへの転換で音の可能性に着目する

エヴィクサーの創業は2004年。大学卒業直後の2003年に韓国のITベンチャー企業Wisehyunの日本進出に参画したのち、その日本法人をMBOした。設立から5年間はIT関連のビジネスをしていたがIT大手の仕様変更に振り回されかねない事業モデルに限界を感じ、新たな事業の構築を目指すことに。

ITのように激しい変化があるわけではなく、技術力を生かしながらも、より普遍的な商品・サービスづくりに携わりたいと音に着目、音で顧客とスマホをつなぐビジネスに転換したという …

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