
問題解決に効く「行為のデザイン」思考法
●著者/村田智明
● 発行所/CCCメディアハウス
● 価格/ 1500円(税抜)
「急いでいるときに間違えやすいエレベーター開閉ボタン、あなたならどう変えますか?」―本書のカバーでは、こんな問いが投げかけられている。人の行動に着目して改善点を見つけ、より良く・美しく・使いやすい・新しい形を見つけるデザインマネジメント。著者の村田氏はこれを「行為のデザイン」と呼び、教鞭をとる京都造形芸術大学での授業や企業とのワークショップを通じて、10年にわたって研究を続けてきた。
本書の執筆に至った背景を尋ねると、村田氏は「モノのデザインに関わってきた中で、以前は残念なデザイン依頼が多かったように思います。すでに企画や機能が決まっているなかでの、最後のプロセスとしての外観や、表示規制のあるインターフェース。時間を遡れるものなら、上流から関わりたいと思いました。誰が・何のために・いつ・どう使うのか。また、そもそも必要か。時間軸で、そのモノを取り巻く環境を俯瞰すると見えてくることが何も考慮されないまま、デザインの依頼だけが来ていたのです。そこに違和感を覚え、『行為のデザイン』の研究と実践を重ねてきました。本書では …