テレビCMから企業名、想起できますか?国内の宣伝費上位企業39社を対象に、過去半年間に流れたテレビCMの想起率、およびそのCMから企業名想起できたサンプル数を1カ月ごとにリサーチ。これにより企業ブランドの想起率を算出。さらに、特に注目したい1社の半年間の平均値の推移を検証します。
堺雅人が笑い続けてインパクト残す
キリンビール「旨杉夫物語 本日も、うますぎる。新登場」篇
3月は、2月に比べて軒並み想起数が減少する企業が多い中、好調を保っているキリンビール「のどごし<生>」を取り上げたいと思います。
「のどごし<生>」は2005年4月の発売から今年4月15日まで9年間の累計販売本数が140億本を突破し、新ジャンル市場で圧倒的な販売量を誇っています。3月の販売数量も、前年比約20%増と好調です。テレビCMでは、昨年、公募した消費者の夢を叶えて、CMにする「のどごし 夢のドリーム」キャンペーンが話題を呼びました。
発売当初から、CMキャラクターはお笑いタレントの山口智充が務めていましたが、商品リニューアルに合わせて、3月から俳優の堺雅人に変更し、新たなCMをスタートさせました。
堺雅人が扮する“旨杉夫(うますぎお)”は、「のどごし<生>」を飲むと、うますぎるくらいになんでもうまくいくキャラクター。CM中ではひたすら笑い続ける、ユニークな役回りを演じています。視聴者からは「俳優のイメージを覆すCMで面白い」(20代男性)、「堺雅人の笑顔にインパクトがあり、『のどごし<生>』のイメージも強烈に頭に残った」(30代女性)という声があり、主に20、40、50代の想起が目立ちます。性別では、男性53%・女性47%となりました。
ただし、ドラマ「半沢直樹」以降、多くのCMで起用されているためか、飽きたという意見も散見されました。今後のCMシリーズでは“旨杉夫”の謎が少しずつ明らかになる予定ですが、他社の出演CMとどのように差別化していくかも、注目のポイントとなりそうです。(コミュニケーションデータシステム 大椋美保)

※コミュニケーションデータシステム(CDS)が行う、1週間単位で記憶・印象に残っているCM調査(関東130万人のモニターから毎週1200人を抽出)から分析。
